人を通して日本の漁業を知る

『漁師になるには』大浦佳代/著
【ぺりかん社】

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沖釣りを趣味としていれば、好むと好まざるとにかかわらず漁業と接することが多い。しかし、実際に漁師という職業について、ほとんど知らなかったのだと本書を読んで気づかされた。
とはいえ、この本は難しい解説書でもなければ説教でも、就職ガイダンスでもない。様ざまな漁の現場と漁師、つまり「人」への取材を中心に据えたノンフィクションで、読物に近い。その舞台として漁業、海、船、市場、法律の基本が分かりやすく描かれている。
160 刊あまりが発行されている「なるにはBOOKS」45 刊の改訂版である本書は、釣りや海に関わる仕事に興味を持っている中学生から、セカンドキャリアに漁業を考えている大人、そして海で働く人に興味を持っているすべての人が楽しめて、ためになる一冊といえる。

■『漁師になるには』大浦佳代/著、ぺりかん社/刊・B6 判・160 頁・価格=本体1500 円+ 税