2/24 驚異の汎用性を実現するオドロキの仕様!?
●協力/どうやらティカジャパン株式会社。
「地味な企画なのに方々で声をかけられて、ちょっと驚いたね」
「そんなことより、具体的な話を話を進めましょう」
心配性の吉田俊介さんは前置きが短い。
「たしかライトアジがメインですよね。そうすると、オモリ20〜40号に対応した素材が中心になります」
紙の中心に円を描いて「ライトアジ」と書く。同じ調子の竿でできそうなのが「ライトマルイカ「カサゴetc」と「イシモチ」そして「カワハギ」。
「ええっ!?カワハギですか?」
「入れちゃいましょうよ。とりあえず」
「まあ、いいですけど……」
●これらを「ライトアジグループ=A」とする。
続いて少し離れた場所に「シロギス」と書く。オモリ15号前後の釣りだ。
シロギス竿を流用できる釣りをあげていく。「アナゴ」に「ショウサイフグ」に「イイダコ」に「ハゼ」に「マゴチ」に「餌木スミイカ」。
●これらを「シロギスグループ=B」とする。
これまで、この2グループは少なくとも2本以上、ツウに言わせれば専用竿含め数本は竿が必要と言われるところ。これらを1本の竿でこなすとしたら……。
「替え穂を付けるしかありませんよねえ、やっぱり」
「おお、替え穂ですか!」
●ライトアジグループ=Aにはパリッとした硬めの穂先。
●シロギスグループ=Bには繊細に動く軟らかめの穂先。
さすが吉田さん。話が早い。
「ですが、竿の調子としてはどちらをベースにするんですか?」
もちろん、ライトアジ系の釣りをしっかりできることが基本。コキコキコキと描いてみる。Aの竿は7:3調子、Bは先だけ軟らかい8:2調子っぽくなるのかも。どう?
「できますよ。では、長さはどうしますか?」
女性やビギナーが使うことを考えれば、取り回しやすい全長1.8メートル以内にしたい。
「とすると、ですね。まず、替え穂はやはり30センチはほしいんですね、構造的に。で、ライトアジをちゃんとやろうと思えば、グリップは脇挟みできるよう、リールシートから最低でも30センチは必要だと思われます。そして胴、ブランクは調子を出すためにも120センチほどはほしいところですから、全長180センチになります」
なるほど。これが基準になるわけだ。
「でも、シロギスにも使いたいんですよね?」
そうそう。スピニングリールに対応させるのは必須。アナゴだってスピニングを使う人が増えている。『つれる竿』のキモでもある。
「だとすれば、トリガーのないリールシートにするのはもちろんですが、グリップが30センチもあると邪魔なんです」
「むむ、そうかあ……」
スピニングリールを使うとき、グリップは20センチくらいのほうが扱いやすい。これは小物釣り全般に言える。そうなると当然、全長は短くなる。
「ライトアジとシロギス用の竿を比べたとき、グリップから下だけで10センチ以上の違いがあるのです。全長、どうします?」
これは困った。
「替えグリップって無理?」
「無理ではありません。ウチにはTSBS、ティカスライドバットシステムがありますから」
「おお、それはいい! ビヨーンと伸びるグリップですね」
「TSBS、スライドバットシステムです(ピシャリ)。18センチ〜35センチにスライドするタイプがあてはまります」
なんと、グリップが伸縮すればライトアジ系のときはグリップ長めの全長185センチで脇挟みバッチリ。シロギス系のときはグリップ短めの全長168センチで軽快、となるわけだ。
「すごいですね吉田さん! 替え穂だけでもワクワクしてくるのに、グリップがビヨーンと伸びたらもっと楽しいですよ。まるでサンダーバードだ」
「スライドバットシステムです(ピシャリ)。ところで沖藤さん、それでも販売価格は1万円以内
なんですか?」
「もちろんです(ピシャリ)」