12/24 プロト2号登場。

●協力/そもそもティカジャパン株式会社

「どうですか、この辺 まで強くなっています」 吉田さんはかなり元気 になりました

「お待たせしました。ようやく試作品第2号ができました」台風15号がまだ太平洋上をウロウロしている9月中旬、昼下がりの外神田・つり情報編集部。

脱臼も回復が進み三角巾を外して自由度の増した左腕を動かしつつ、ティカジャパン・吉田俊介さんが説明する。

「9月始めの予定が、ずいぶん延びましたねぇ」

「あ、いや、それは色いろありまして……。設計どおりに上がってこなければやり直させますし……って、沖藤さん、勘弁してくださいよぉ」

せっかく上がってきた竿を見せるなり難癖をつけられ軽く逆ギレしてみる吉田さん。

「で、やはり強くなっているのですか?」

「はい。簡単に言えばカーボンを巻く量を増すことで硬さを増しています。プロト1号と比べると元から第1ガイドまでは20パーセント、次のガイドまでは10パーセント強くなっていて、その先は同じです」

竿の設計や構造の話になると水を得た魚のごとく生き生きする吉田さん。

「おお、本当だ! バットエンドから元が強くなってる」

「分かりますか! 違うでしょ」

盛り上がるオヤジ2人。

「ところで、硬くしたからといって、基準はライトアジ、そしてシロギスですよね?」

「もちろんですよ。『つれる竿』の中心円はカワハギではなくライトアジです」

そもそも、プロト1号がライトアジとシロギス試釣で好成績を上げているのに、なぜ元部の張りを持たせたプロト2号を作る必要があったのか?

それは釣れる釣れないではなく、プロト1号を色んな人に持っていただくと、その第一印象として、しばしば「元にもうちょっと強さがあったほうがいいのでは?」という意見が聞かれたためだった。

「これでライトアジで強すぎるようなら、強さはプロト1号でOKですね、吉田さん」

「シロギスもですか?」

「もちろんです」

決してプロト2号がいいという前提ではなく、あくまで硬さを比較するためのものだ。

ただ、ここまでの試釣で、非力な釣りガールや子供たちは、私たちが思うほど竿を大きく動かせない傾向が見られた。

そのためツリオヤジ的に「硬すぎやしませんか?」と思うような竿のほうが、女性やビギナーや子供にとっては仕掛けを動かしやすく、結果として「つれる竿」になる傾向があるのでは? と我われプロジェクトは睨んでもいるのだ。

もちろん単に硬いだけではいけない。ちゃんとアタリを取れる竿先であり、軽さでなくてはいけない。

オモリ30 号。ほとんど差がない

50 号。曲がり込んでいるのがプロト1号

80 号。プロト2号(上)はかなりシャキッとしている。これはいいかも!

「ムムム、オモリ30号以下まで(写真A)は差がないけど、負荷を増していくと(写真B、C)シッカリ感がだいぶ違いますよ。プロト2号はカワハギへの汎用性だけでなく、マゴチやライトヒラメにもいいかもしれません
よ、吉田さん!」

比較画像に思わず興奮する。

「あの……メインはあくまでライトアジ、なんですよね?」

次号、暴走気味のまま女子たちの試釣へ!?