13/24 ドクモGPにプロト2号参戦
●協力/読書の秋もティカジャパン株式会社
元部に張りを持たせたプロト2号ができ上がり、試釣へと進んだ「つれる竿」プロジェクト。今回はプロト2号での初試釣のはなし。
そもそもプロト1号を手にした数人から「元が少し軟らかいのでは?」と指摘されたのが2号を作るきっかけ。最も強く指摘したのが本誌でおなじみ三石忍で、ライトタチウオの試釣のときであった。
その熱意をティカジャパンでロッドの設計・制作を担当する吉田俊介さんに伝えるべく動画に収め、編集部のモニターで見ていただいたのだが、元部をガンガンぶったたきながら説明する三石の怖いこと怖いこと。
その迫力に吉田さんも私もウサビッチのプーチンよろしく震えあがり、即座に人形町のティカジャパン本社に戻りプロト2号の設計に取りかかったのだった(かなり脚色あり)。
さて。プロト2号初試釣の釣り物はカワハギ。
実はプロト1号はカワハギの試釣で成果を上げることができなかった。もし、元部に張りを持たせた2号でもカワハギ釣りに向かないようであったら、汎用性を売りにしつつも「つれる竿」の対象魚種からカワハギを外すつもりである。
釣り場は内房館山・那古船形の館山つりセンター・くろしお丸。88ページで紹介しているドクモグランプリ2011最終審査にて、参加者の女子・高橋夏希さんに使っていただいた。
「編集長ぉ〜! コレって二毛作ってヤツッスね!」
イタいことをズバッと言い放つ三石忍もスタッフとして乗船。
釣り場は太房沖と坂田沖、ともに水深20メートル前後でオモリは25号。この日のために専用竿を新調した参加者もいる中で、黒塗りのプロト2号、それも汎用竿で夏希さんはカワハギ釣りに挑んでくれた。
「アタリ出たッスよ(三石)」
「おお、本当だ、出てる出てる」
プロト2号に装着している穂先は2本同封するうちの「硬いバージョン」。主にライトアジ用に設計されている穂先だが、プルプルと魚信を伝えている。アタリは出るものの、なかなか掛けられない夏希さん。
「沖藤よぉ、軟らかい穂先のほうがいいんじゃねぇんかし(根岸発行人)」
私もそんな気がするが、それはツリオヤジの感覚。オモリ25号、それもカワハギ釣りであれば、硬い穂先のほうが底の感触もつかみやすいしアタリも手に伝わりやすいはず、と、普段からよく仲乗りをしている三石に諭される。
「ホラ、きたッスよ!」
夏希さんがカワハギを掛け、プロト2号がガンガンとたたかれている。
「どう? アタリ、分かった?」
「よく分かりました! 手にも伝わってきましたよ」
明るい笑顔で答える夏希さん。
でも1枚じゃあ何とも言えないよなあ……と、思ったものの、三石は確信を持ったようで、
「編集長、大丈夫ッスよ、竿。女の子でもちゃんと掛けられますよ」と太鼓判。さすがその観察眼は鋭く、夏希さんは2、3
枚と、周りと遜色ないペースでカワハギを掛けてくれた。
プロト2号はカワハギ専用竿に比べれば明らかに胴や穂持ちが軟らかいのだが「使える」レベルにはあるようだ。
カワハギ釣り暦がほとんどない、つまり専用竿を持っていない女性が使ってもアタリが分かり、ハリ掛かりさせられる。
しかも、同じレベルの女子がカワハギ専用竿を使って並んで釣りをしたとき、そん色ない釣果であったことも好材料だ。
もちろんカワハギ釣りに夢中になれば「つれる竿」は明らかに物足りない。そのときには、専用竿を購入すればいい。
と、いうわけでプロト2号はカワハギもクリア。すでに進んでいるイイダコ、シロギス、餌木スミイカなどの試釣の模様は追って紹介する予定。
(今回も沖藤のみの構成でした)