14/24 プロトタイプ最終テスト ーシロギス編ー
●協力/ここはひとつティカジャパン株式会社
10月中旬、小春日和の金沢八景。故・服部善郎名人を始め内田恒洋さん、長谷光祐さんらが常宿とした弁天屋。
今回はプロト2号の最終試釣・シロギス&ライトアジのうち、前半のシロギス釣りのはなし。
「今日OKなら、プロト2号で最終サンプルに進むんですよね」
ティカジャパン・吉田俊介さんも今日は気合十分。
「では、まず船長に聞いてみましょう!」
シロギス船を担当する森本直樹船長にプロト1号と2号を見てもらう。穂先はどちらもシロギスをメインにした軟らかいタイプ、通称Sの穂先を装着。
「お、どちらもいいですよ。個人的にはこっち、元が張ってるほうが好きかな。胴つき仕掛けにとくによさそう。うん、魚が
いれば釣れるよ」
細かい説明をせずとも、プロト2号が元部だけ強めていることを見抜く船長。さすがである。
「ところで今日のモニターは?」
今や食べたガール改め、つれる竿モニター・笹本里絵は待合所でおかみさんと談笑中。わずか1時間で、同宿のスタンプカードを持っている(らしい)吉田さんよりもなじんでいた。
さて。7時半に出船したシロギス船の釣り場は八景沖の水深20メートル台。オモリ15号、テンビン仕掛けと胴つき仕掛け、プロト1号と2号を交互に使ってもらう。
「ですからね、そう、いえいえ、こうです……」
笹本に付きっきりで教える吉田さん。でも、ヌカにクギ。
「吉田さん、放置していいんです。釣れなければ本人が船長に聞いたり、見かねた船長が教えてくれます。それで釣れなくち
ゃ『つれる竿』ではありません」
「はあ……そ、そうですね」
常連さんがダブルを交えて好調に釣る中、沈黙する笹本。心配性の吉田さんはいても立ってもいられない。
「テンビン仕掛けのときはオモリをちょっと切ったぐらいで待って、たまに持ち上げてごらん」
アタリが出ない笹本に、ころ合いを見て船長がアドバイス。
「釣れましたー!」
「エサは真っすぐ付けたほうがいいよ」
「釣れましたー!」
「胴つき仕掛けのときはね、オモリを底に着けて、道糸をたるませて、ゆっくり張って、を繰り返してごらん」
「釣れましたー!」
「胴つきはイソメを長めに付けるとアタリがよく出るよ」
「釣れましたー!」
実話である。
竿がそれなりに仕上がっていれば、初心者でも船長のアドバイスでそこそこ釣れる。その「それなり」の竿であることが証明されたのだから、文句はない。
「釣れる竿っていうのは、置き竿にしていてもシロギスが掛かるよ。ダメな竿は、なぜか置き竿で釣れないもんさ」
船長が言う。では、検証。笹本に竿を置かせ、オニギリを食べさせる。
「どうしましょう、釣れなかったら……」
20代後半の女性がオニギリをむさぼる様子を、メガネを直しつつ真剣に見守る吉田さん。
「釣れましたー!」
その後も置き竿で連発。
かくして「つれる竿」プロト最終試釣前半・シロギスは成功に終わったのだった。
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●取材協力
金沢八景・弁天屋
☎ 045・701・9061
(詳細は132ページ情報欄参照)
▼半日船6000 円(リレー割引あり)、一日船9000 円
▼カワハギ、アジ、餌木スミイカ、午前、午後ライトアジ、午前シロギス、午後イシモチ乗合へ出船中