このあと各自マサバを追加し、食いが止まったところで同じ猿島沖の60メートル付近へと移動する。
　潮が緩かったので、私は竿を上げ下げしつつゆっくりと誘いを入れてみた。すると狙いどおりに激しいアタリ。十分に食い込ませてから巻き上げにかかる。
　水深は60メートル。海面までの道のりはまだまだ長い。ガガガッと竿が絞り込まれるたびに急いでハンドルを回したくなるが、イシモチは口切れすることもあるため無理は禁物。おまけにこのときのハリスは1.5号。気を抜くとアッという間にハリス切れしてしまうだろう。
　慎重な巻き上げを続けた結果、海面に浮いたのは33センチの大型。うれしい1尾である。
　「これが猿島沖の魅力ですよ。よかった〜！」と船長も一緒になって喜んでくれた。
　その後、アタリの数は減ったもののヒットすれば30センチオーバーという展開。ここで岩橋さんをはじめ多くの釣り人が30センチ級を手にすることができた。
　そして本日最後のポイントとして向かったのは小柴沖。そろそろラストスパートをかけようと思ったが、潮が動かず思わぬ苦戦を強いられた。
　潮回りのたびにポツポツとイシモチは上がったが、なかなかアタリが続かない。
　ところが最後の流しでドラマが起こった。いきなり船中あちこちでイシモチがアタり、私は3連続キャッチに成功！
　「やっぱり最後まであきらめちゃダメなんだな」とこれには船長も苦笑い。こうして盛況のまま14時半に沖揚がりとなった。
　本日の釣果は7〜18尾で、船中最大はなんと38センチ。私も33センチを筆頭に16尾釣ることができて大満足。このほかサバやシロギスなどが多数交じり、とても楽しい一日となった。最後に船長は、
　「これからも大型交じりで楽しめますよ。防寒対策をしっかりして、気軽にチャレンジしてください」と明るいコメントで締めくくってくれた。
　東京湾のイシモチは冬休みに家族で楽しむにも最高。もちろん竿納めや初釣りにももってこいだ。

［新健丸］新明秀幸船長