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[アジ]
内房金谷港発…金谷沖 勘次郎丸

金谷の名物「金アジ」 食味、釣趣ともに極上

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フィッシングライター/訓覇啓雄
掲載号: 2010年4月15日号

浅場がダメなら深場があるさ

 


職漁の経験と技術を仕掛けにも垣間見ることができた


 この日も早々に見切りをつけ、8時半には保田沖へと移動。水深は80メートルほど。ちなみに使用ビシは80号(浅場では状況で60号も使用)。コマセのイワシミンチはかなり細かく挽ひいてあるため、普通のアンドンビシより目の細かいものがマッチする。船宿オリジナルのビシが無料で借りられるから、これに頼ったほうが早い。
 浅場では底から3〜3.5メートルのタナを探るが、深場では最低でも5〜6メートル、反応次第では12〜13メートルとかなり高いレンジを攻略する必要もある。
 まずは6メートル前後のタナで20センチ級の中アジが掛かり始めるが、単発がほとんどで途中でのバラシも頻発。頼みの綱の深場も今日は厳しいらしい。
 しかし、船長は焦る様子もなく、さらに深い90メートルダチに船を進める。
 釣り船としてのキャリアはまだ15年ほどの勘次郎丸だが、代々続く漁師としての経験は豊富。しかも、最も得意とするアジ釣りとあって、周辺は庭のようなもの。打つ手はまだまだあるようだ。
 まずは7〜8メートルのタナで20センチ級が食い始める。時折、30センチ級も交じる。
 反応はかなり持ち上がっているので、12〜13メートルでも順調にアタリはある。逆に、海底から3メートル以内の低いタナでは、サクラダイやネンブツダイが猛威を振るう。
 調子は徐々に上向き、同行の上田氏も探見丸で海中の様子をこまめにチェックしながらタナを探り、着実に釣果をのばしている。
 しかし、ここも長くは続かず、北西風が強まってきたのを機に、今度は陸寄りの50メートルダチへ。
 ここもアジのアタリは活発ではない。ところが、左舷胴の間の常連さんだけは、なぜか本命を連発。おそらく、非常に狭い食いダナを見事に探し当てた結果だろう。
 午後1時に沖揚がり。トップは最後に入れ掛かりを演じた常連さんで37尾、平均では25尾前後。サイズは20〜35センチ。朝の浅場狙いが壊滅的だったことを考えれば、まずまずの成績だろう。
 金谷沖のアジは周年のターゲットとはいえ、やはり安定して数が出るのはこれからの暖かい時期。例年春にはワラサの回遊もあり、アジを釣りながらのハモノ狙いも楽しめるという。



勘次郎丸]佐藤 啓船長

 

 


 

 

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