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[マゴチ]
東京湾奥横浜発…大貫沖 渡辺釣船店

東京湾のマゴチスタート 今期も順調な滑り出し!

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本誌APC(神奈川)◎平林 潔
掲載号: 2009年5月1日号

当日の大貫沖は極寒

 


62センチ。シーズン初期は大型が狙えるチャンスだ


 春とはいえ、まだまだ寒い日もあるこの季節。マゴチという魚の名前もすっかり頭の中から消えていたが、ぼちぼち大貫沖で始まるという話を聞き、ビビーンと反応してしまった。
 
 3月30日。東京湾奥横浜の渡辺釣船店には、平日ながら5名の釣り人が集まった。
 ちょうどこの日が今シーズン初出船。担当の田中船長とも話をしたが、初日だけに情報はゼロ。どのポイントがいいかも含め、試し釣り気分でのチャレンジとなる。
 7時に出船し、およそ1時間で大貫沖に到着したが、北風はビュービュー、波もザブンザブン状態。あまりの寒さに竿を持つ手もちぎれそう。
 「こりゃたまらん!」と、置き竿を1本出した後にキャビンの後ろに隠れて風をよける。これも左大ドモの釣り座をキープしていたからこそできる日和見技なのだが。
 水深は20メートル弱。船はけっこう大きく上下動しているけれど、当日はあえて軟らかい調子の竿を用意してきたから、なんとかなるだろう。
 問題は手持ち用にと用意した手バネ。この水深とこの風では、どう考えたって手バネじゃ辛い。仕方なく、メゴチを釣ることがあるかもしれないと用意していたキス竿とスピニングリールの組み合わせにマゴチ仕掛けを結んだ。
 一時はその竿を手にしたが、やはりキャビンの陰へと逃げ込んで2本の置き竿をじっと眺める時間が続いた。もちろん頻繁にタナの取り直しはしたけどね。
 船長は転々と潮回りしながら16〜20メートルダチを流したが、マゴチからのシグナルはない。なーんて思っていたら、9時前に船の動きで上下していた竿先が押さえ込まれたままになった。
 ドキッ! 急いで竿を手にすると、グーッグーッという断続的な引き込みが続いた。
 今シーズンの初アタリだけに心臓はバクバク。なのになかなか竿先が入っていかない。
 「ええい、一か八かだ!」と、やや大きめの引き込みで合わせてみたが結果は空振り。アカエビと違い、サイマキは食い込みに時間がかかるという基本を忘れていた。
 でも……シーズン初アタリってこんなものなのかも。
 時折ツー、ツーとショートストロークの引き込みが続くのは外道のフグ。エサをいくつもダメにされたが、なかなかのサイズのフグを釣り上げた人もいた。
 ズーンと重いだけのアタリはスミイカ。海面までサイマキを抱いたまま上がってきたが、タモ入れ間際に逃げられてしまった。このスミイカもやたら多いようで、エビが動かなくなったと思っていたら、たいていは背中に穴を開けられている。
 「こりゃあ、今日はダメかな」と思い始めた11時ごろ、左ミヨシ氏の竿がギューンと曲がった。船長が差し出した玉網に入ったのは40センチほどの本命。この1本で「なんとかなるかも」という気分に変わる。というのも、
 「下げ潮じゃあ食ってこないと思う。狙いは上げ潮。だから午前中は我慢になると思いますよ」と出船前に船長が言っていたからだ。


 

 


 

 

Page1 当日の大貫沖は極寒
Page2 やった、60センチオーバー



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