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本誌編集部◎村上敬洋
掲載号: 2009年6月1日号
竿を出してみないと分からない
そんなマダイ以上に活発な食いを見せたのがアジ。30センチ級が連発している。しかし1キロ前後のマダイやアジがこんなに釣れるということは、裏を返せば大ダイが釣れる時間帯ではないのかも。
そんな状態が8時半ごろまで続いた後、船中は静かになった。大ダイが掛かるとしたら、こういう時間帯かな……そんなことを考えていたら、右胴の間の私の竿にアタった。
もしや大ダイ!
ドキドキしながら巻き上げる。ところが期待と裏腹に手応えは思いのほか軽く、1キロに満たない小型。残念なんて言ったらバチが当たるだろうけど、この結果には少しがっかりである。
ところが隣の釣り人に掛かったのは良型らしい。強い引きをいなしつつ、取り込んだのは後検量3キロジャスト。
この1枚が上がった後は急に潮が速くなり、底ダチを取るのさえままならない状況に。たかだか水深42メートルなのに、道糸は60メートル以上も引き出され、周囲の釣り人を巻き込んでのオマツリに発展する。
「潮がカッ飛んじゃってますね。むしろ昨日よりも速いかも」
私は大潮の昨日よりも、中潮のほうが釣りやすいと思い今日を選んだが、潮時表はあくまで潮時表。やはり実際の釣り場がどうなっているのかは竿を出してみないと分からないものだ。
しばらく速い潮に苦戦していたが、昼すぎから急に潮が緩み、左右ミヨシで相次いで1キロ前後のマダイが上がった。ここで14時半の納竿時間となる。
型は最大3キロ止まりだったが、数は船中1〜6枚(計18枚)と予想以上によく釣れた一日だった。驚いたのは翌日(中潮)の釣果。船中0〜2枚ながら、4.5キロが出ているではないか。
むむ……私の予想もまんざら間違いでなかったのかもしれない。闇に包まれた私の釣りの世界に、一筋の光明が射したような気がして、その日は妙にうれしかった。
[網屋丸]三冨豊一船長
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