状況としては決してよくはないのだが、ビギナーからベテランまで和気あいあいとして楽しげ。これが仕立船のいいところ。まったりと、そしてゆっくりと時間が過ぎていく感じが心地よい。
　そんな船中で唯一大忙しなのが船長。操船がてら、エサの付け方からハリの外し方など、釣れない人へのレクチャーなどで行ったり来たりしている。でもその表情はうれしそう。やはり根っから釣り好きなんだろうなあ。そういえばホームページに記載される釣果報告にも、船長の人柄が現れていたっけ。
　もし現場で釣り方に困ったときは、気軽に何でも尋ねてみよう。釣り方はもちろん、おいしい食べ方だって教えてくれるから。
　また当日は知り合いの漁師さんと船長の娘の弥生さんが仲乗りとして同船してくれた。ちなみに弥生さんは船舶操縦の資格も持っていて、釣りも船長仕込みだから腕もたしか。釣り方を観察するととても勉強になる。
　結局最後までオデコだった人にも待望のヒットがあり、全員がカレイの顔を見たところで昼前に沖揚がりの時間を迎えた。
　釣果は25〜48センチをトップ12枚（イシ7割、マコ3割）。頭が20枚前後に達していた数日前までと比べると数はのびなかったが、翌日は頭31枚を数え、翌々日も29枚と食いは上向く一方。しかも大半がマコガレイで、50センチ級も飛び出したというから、いよいよトップシーズン突入の気配濃厚である。
　最後に船長は、
　「まだ水温が安定していない（高くない）のでイシガレイが交じりますが、連休が過ぎればマコガレイ一色になるでしょう。南のほうからミズナギドリが渡ってくれば本格的シーズンインです。そのころになれば海はナギが続くので、水深15メートル前後がメインになるはず。だから今日よりももっと手軽に狙えますから、初心者や女性でも安心ですよ」と話してくれた。

［第一東海丸］北條　晃船長