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釣り人/三石 忍
掲載号: 2010年6月1日号
シケの日は胴の間強し
根気よく小づいた人、そし て運がよかった人が記念撮影
この日は大潮で午前中は下げ潮。しかも南風と波は強くなる一方で、マダコ釣りにはかなりきつい状況。というより、いつ早揚がりになってもおかしくない状況です。
南沖の水深10メートル前後のポイントで投入。ここは海堡のように風や波を避けられませんから、ミヨシはまるでジェットコースター。「小ダコが乗ってもテンヤからすっ飛んじゃうよな、きっと」と笑う編集長。「昨日は季節はずれの豪雨、今日は大潮の下げ潮でシケ。これは10メートル前後の海底にすむマダコに、よい影響は与えないことでしょう」と工藤さんは私にも分かりやすく説明し、悲観するのでした。
予想どおり、なかなかマダコの顔が見ることができずに富津南沖のポイントをこまめに移動していきます。
そして私の隣、胴の間近くで久びさにマダコが上がったのに続き、右舷胴の間、左舷トモ3番の方がたが連続で1キロ級を上げてホッと一安心。この時点で海が悪すぎることもあり富津港前へ大きく移動となりましたが、港前も風は強まるばかりで終了。取材班はオデコでしたが、この荒天では仕方ありません。
ただ、注目したいのは後半、シケの中でタコを上げたのは胴の間とトモ寄りだったことです。潮向きだけならミヨシ有利でしたが、あの波ではミヨシ寄りは釣りにくく、釣果に恵まれませんでした。
胴の間は最後まで残る席ですが、シケの日には船の重心に近く最も上下動が少ないから特等席になることもあるんです。とくに、手で糸を操り、テンヤを海底に着けていなくてはならないマダコ釣りではなおさらです。
残り物には福がある、といったところでしょうか。席選びの考え方として、頭に入れておいてくださいね。
この日は別船でも4.7、3.1キロの大ダコが上がりました。そして翌日は船中25杯でトップ6杯、その次の日は船中48杯オデコなしと好転し、その後もトップ4〜5杯で推移しています。
今年も始まったマダコシーズン。みなさん、コツコツ小づいて楽しみましょう。
[川崎丸]石井広一船長
Page1 第二海堡でモンスター捕獲
Page2シケの日は胴の間強し
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