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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2010年6月15日号
アジ、サバばかり…
5月下旬に入っても好調持続。今年のマダイはまだいける
マダイ釣りファンにとっての「乗っ込み」とは、大型が釣れる可能性が高く、自己記録を更新しようと皆の鼻息が荒くなる時期、といったところか。
今回私が大ダイゲットを目論んで鼻息荒げて訪れたのは剣崎。この地域では、桜の咲くころから6月いっぱいがシーズンだ。
情報によると、ゴールデンウイーク中に数、型ともに好釣果を記録したもののその後は濁り潮が入って苦戦した日もあったとのこと。
5月16日、不安と期待が入り混じった気持ちで向かったのは剣崎松輪港の伝五郎丸。
5時30分となり、私を含めた11名で出船。ポイントは剣崎沖の水深45メートルだ。ここは根のフチにあたるので、ミヨシとトモでは水深が2〜3メートルも違う。底からタナを取るとコマセカゴの位置がバラバラとなってしまうため、タナは海面から取るようにアナウンスされる。
もっとも乗っ込みを迎えたマダイは産卵を控えているので、活発にエサを捕食する反面、宙層を意識しているのでコマセカゴが底をたたいたりすると警戒するとも言われるから、上からのタナ取りは理にかなっているといえそうだ。「タナは32メートルです」と船長の合図が出た。
タナとはコマセカゴの位置。水深から計算すると海底から13メートルほど上にコマセカゴが位置することになる。
ほとんどの人がハリスの長さを8メートルにしているので、潮流による吹き上がりも考慮すれば付けエサの位置は海底から7〜9メートル付近と想定できそう。
乗っ込みダイは海底に潜むというより宙に浮いている場合が多く、時には海底より15メートルも浮き上がることもあるらしい。
船長の指示したタナよりも5メートル深い37メートルまでいったんコマセカゴを改め、仕掛けが潮に馴染むのを待ち、コマセを振り出しながら指示ダナに合わせて様子をみる。
さっそくヤリトリを開始する人が出現。「これはもしかすると今日は大爆釣か!」と色めき立つが、姿を現したのはサバ。
私の竿にもグン!
とアタリがきた。すかさず大きく竿を振り上げてリーリングを開始するもマダイ特有の鋭い突っ込みがない。
案の定、上がったのはサバ。とはいえ45センチもあるおいしそうな大サバだったので大事にキープした。
朝イチのマダイ登場を期待していたのだが、その後も大型のサバとアジが頻繁に姿を現すばかり。「昨日はこいつらがいなかったのになぁ」と船長も少々困惑気味だ。
話を聞くと昨日マダイが食ったのは10時30分ごろからだったとのこと。今日は11時ごろが時合ではないだろうかと勝手に決め込んでのんびりしていたのだが、8時30分になると潮が動き始めたのか、隣の船でマダイの型を見たとのこと。しかし、こちらは相変わらずアジとサバばかり……。
Page1 アジ、サバばかり…
Page2 タイは浮いていない!
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