そんなこんなで昼までの前半戦は半数近くがオデコとシビレっ放し。どうしたものかと思案する船長だが、上げ潮が効きだしたのを見て再び朝一のポイントへ。散り散りになっていた他船も同じように再び集まってきた。
　上げ潮は速く釣りづらいものの、フグ様のご機嫌は午前中よりよろしいようで、1投目でカットウバリを切られ、ここまで泣かず飛ばずの茂手木さんが30センチ弱をキャッチ。これが起爆剤となり船中でポツポツと釣れだし、1人また1人とオデコを脱出していく。
　午前中は何が気に入らなかったのか、活性の高さが明らかに違うようだ。
　仕掛けが着底した瞬間のアタリをキャッチするパターンをつかんだ茂手木さんがあれよ、あれよという間に7尾をヒットさせて竿頭に。
　よい日と比較してしまうと不満の残る釣果ではあったが、35センチを頭に平均25センチ前後で小さくても20センチと、サイズがよかった点はプラス材料か。
　たぶん、小型が増えればそのぶんアタリも釣果も増えて、つまりは「寄りフグ」の好期になるはず。
　船長もそのあたりはどっしりと構えているようで、「まあ、釣れるときは簡単に釣れますが、今日は難しいパターンになっちゃいました。でもフグの魚影自体は濃いので、また釣れだしますよ。10月は荒食いが始まる時期ですから期待大です。それにフグは一年中出船していますから、釣況を見ながら遊びに来てください」と締めくくってくれた。

［えさ政釣船店］村石幸光船長