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[モロコ]
南伊豆手石港出船…神子元島海域 敬昇丸

巨魚・モロコを釣り上げる夢に 南伊豆の乗合でチャレンジする

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本誌編集長◎沖藤 武彦
掲載号: 2010年9月1日号

ワラサ、カンパチ…… 

 


よっしゃあ! ギャフが打たれた瞬間、北田さんの夢がかなったのであった


 ときに沖釣りには船長が好きだから続けているマニアックな釣り物がある。手石港.敬昇丸のモロコ乗合はその典型で、夢のある釣りとして、いつも私の頭の隅にある。
 「たかあきの所でモロコが上がり始めたから、行こうぜ」
 日本レース界の重鎮、南伊豆のゴッドファーザー.坂東正明さんから連絡が入り、肥ひ田だ能たか研あき船長に電話すると7月6日に28.4キロが上がったとのこと。取材日を20日、21日に決めた直後の15、16日にも続けてモロコが上がった。
 
 取材一日目、乗船者は坂東さんを含め7名。5時過ぎに出船し、20分ほど走った場所でエサ用にサバ釣りを始めるが、速潮に思わぬ苦戦を強いられる。
 それでも3ノットを超える速潮が収まらなくてはモロコ釣りもままならないからと、船長は粘り強く潮回りを続ける。
 ちなみにこのとき、フラッシャーサビキとウイリー仕掛けとでは釣果に雲泥の差があったから、サバ釣りとはいえ侮れない。十分にサバを確保しモロコ狙いに転進したのは8時であった。
 50メートルダチから浅くなっていくモロコ狙いの1投目、左ミヨシの酒井さんがいきなりスタンディングファイトに突入。
 モロコか、青物か、それともサメか。なにせ相手は30センチのサバを飲み込む魚。周りは酒井さんを注視しながらも、自分の竿先から目が離せない。
 上がってきたのは後検量4.7キロのワラサ。立派な魚体に幸先よしと称え合っていると、右舷胴の間で北田さんが5キロのカンパチを上げる。それでも過去16回、同行の大島さんとともにモロコ狙いでオデコに終わっている北田さんは「モロコ狙いだからなあ……」と複雑な表情。
 1投目でこれだけの盛り上がりを見せれば、その後を期待しないほうがおかしい。実際、流し変えるたびにだれかにアタリが訪れ、船上は緊張した。しかしそれらはサメの仕業だったり、根掛かりだったり、モロコとおぼしきもののハリ掛かりに至らぬアタリであった。そして13時、沖揚がりを迎えた。


 

 


 

 

Page1 ワラサ、カンパチ…… 
Page2 そしてモロコが上がる



※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。