10月1日、外房大原沖のショウサイフグが解禁となった。初日から定数の80尾をクリアする釣り人が続出し、ほとんどのフグ船が早揚がりしたという。
　解禁翌日の2日、釣友の佐々木さんを誘って訪れたのは大原港の鈴栄丸。同港におけるフグ釣りのパイオニアだけに舵を握る斎藤俊一郎船長はポイントや釣り方などに精通しており、釣り人からの信頼も厚い。船宿オリジナルのカットウ仕掛け1つを取っても、オモリからカットウバリまですべて特注。フグ釣りに対するこだわりが感じられる。
　当日は混雑を予想し、出船1時間半前の2時半に到着していたが、好釣果と裏腹に釣り人は私たちを含め総勢8名であった。
　天気予報ではやや風が強く、ウネリもあるといっていたから腰が引けてしまったのかもしれない。
　出船は定刻4時半。たしかに風は吹いていたが、鈴栄丸は全長19メートルの大型船、釣りに支障はなさそう。
　暗い海を15分ほど走ってポイントの大原沖に到着。まずは水深15メートル前後の浅場を狙うことになった。
　他のフグ船も周りに集まり、次つぎに釣りをスタートさせていく。船長によるとこの場所が解禁初日にバリバリ食ったポイントとのこと。
　周囲は真っ暗だったが、いきなり入れ食いショーが始まったら大変。カメラを構えて準備万端で待つことにした。
　ところがフグはなかなか顔を出さない。ようやく周囲が白んできたころに隣で1尾、そして釣友の佐々木さんが初物をゲットした。
　やがて入れ食いとまではいえないが、まずまずのペースでフグが釣れ始める。
　撮影もほどほどにし、いつもより早めにお土産確保の釣りを開始すると、たちまち5尾連釣してしまった。
　こりゃあ久しぶりに大漁かな.と捕らぬフグの皮算用を始めたが、なぜかここからペースダウン。
　それでも7時過ぎには10数尾をゲット。酒の肴（魚ですね）を確保できてホッと胸をなで下ろす。
　なんとなく、今日のフグは少しご機嫌斜めなのかな〜と思っていたが、船長から、「トモの常連さんは40尾を超えたよ〜」と声をかけられ、思わずのけぞってしまった。「ヤバい！
　へたしたら満足に写真を撮る前に早揚がりになってしまうのか……いや、その前にどうして私はバカスカ釣れないの？」
　脳裏には編集部Ｍのフグみたいな膨れっ面もよぎる。
　だけど私はフグ大好き人間。これほどの釣れっぷりを前にして竿を置くなんて無理。
　ならば20尾釣れるまでっ！と勝手に釣り時間を延長したら、あっさり達成。再び竿をカメラに持ち替えることに。