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本誌APC(千葉)/矢倉 登
掲載号: 2010年10月1日号
見釣りでもキャッチ
小型はすり抜けることも多いが気にしなくてもいい。テンヤに掛かるサイズだけでも十分に数が出る
さて、私はラストスパートをかけようと必死になるが、なぜか調子が上がらない。朝、スタートダッシュを見せてくれた彼女もスランプに陥り、たまに竿を曲げてくれるのは海藻でションボリ。
相変わらず好調なのは刈込さんで、勢いはとどまることを知らない。多分、1束は超えていることであろう。
そのうち、順調にタコを取り込んでいた斉藤さんが小型のコウイカ(カミナリイカ)を釣り上げた。これには静かになっていた女性も興味津津。タイミングよく気分転換ができたようでペースを取り戻した。
しばらくして私の超軟調の手バネにズシッとした乗りが訪れ、竿を立てるとたっぷりの重量感が伝わってきた。慎重にたぐり寄せると、やはり小型のコウイカであった。このイカは先に釣った斉藤さんと同様に隣の女性にプレゼント。またまた中年男の行動をとってしまう。
水深がわずか4〜5メートルとあって、場所によっては海底のテンヤが見え、私も見釣りで3杯ほど釣り上げることができた。これもイイダコならではの楽しみ方だろう。
このように浅い水深だからこそ女性や子供でも楽しむことができる。釣り方も割と簡単で、テンヤを海底から離さないことを心がけ、竿先にテンヤ以上のテンションがかかったならば竿を立てて合わせを入れ、後はリールを巻き上げるだけである。
残り時間もわずかとなったが暑さに負けることなく必死で釣り続ける。イイダコ釣りは単純なのだが、思いどおりに釣ろうとすれば結構奥が深い。だからこそ、暑さに負けずに頑張れる。
「この流しで終わりまーす」と船長からアナウンスされ、2杯を追加したところで私は竿を収め、女性の指南役の刈込さんがコウイカを取り込んだところで沖揚がり。
トップは富津市の刈込さんで145杯。女性の面倒を見ながらの釣果だから見事である。その女性も初めてながら39杯。1束以上が3名で、私は苦労の79杯と少し情けない釣果。斉藤さんは撮影の合間で竿を出したにもかかわらず91杯と、船長も驚いていた。
今後の展望だが、ミニサイズもかなり交じってきたし、テンヤからすり抜けるものも結構多かったので、今年のイイダコの湧きは良好のようだ。
また、取材2日前には296杯を常連の名人が記録しているし、取材後にもコンスタントにトップは1束を超えているので、今期の富津沖のイイダコは◎印を付けたい。
[鹿島丸]鹿島伸元船長
Page1 初めての女性が絶好調
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