この流しでは計4枚のヒラメが釣れたが、スッポ抜けも目立った。
　前日から連チャンの常連さんが、
　「今日のイワシは昨日の倍ぐらいでかいよ」と言うほどイワシが大きいのと、潮があまり動いていないので食い込みが悪いのか、スッポ抜けが多いように見受けられた。
　それだけに今日は完全に食い込ませるまで待てる忍耐力も求められそうだ。
　さて、ヒラメ釣りの楽しみのひとつがゲストだ。地域や季節によって魚種は変わるが、このエリアで私が最も期待をしているのが裏本命とも呼べるマハタである。ヒラメ1枚にマハタ1尾が私の目標なのだが、そんなことを期待していると竿が前触れもなくガクッと衝撃を伝えてきた。
　これは明らかにヒラメがイワシを捕食した時に出るシグナル。その後にガクガクと続く感覚はヒラメがエサをくわえ直しているのだろう。
　「さあ。食い込め」と固唾を飲んで待っているとグイーンと竿が海面に突き刺さった。
　今が合わせ時とばかりに竿を立てたのだが、一瞬手ごたえはあったものの見事なスッポ抜け。あわてて追い食いを狙って仕掛けを送り込むものの再び魚信は訪れなかった。
　その後一服状態が続いたが、9時30分になるといい根を通過したのか、バタバタとヒラメが取り込まれた。
　木村くんが2枚目、3枚目と連釣したかと思うと、吉長くんも2キロオーバーの良型を釣り上げて満面の笑みだ。
　すると私にも魚信が到来。グーン。ガッガッガッと完全に食い込んだところで合わせを入れるとハリ掛かり。
　リーリングに移ると時おりググッと抵抗をしてくるが、それを竿の反発力でいなして浮かせたのは1.5キロのヒラメ。
　「よし。これで片目が開いた。せめてもう1枚」と気合が入ったのだが、再びポツリポツリの釣果となってしまった。
　そこで船長は灘寄りに移動。
　残り1時間のラストチャンスにかけたのだが、ここでも好転をしないままに沖揚がり。
　「今日は一日潮が動かなかった」と船長は嘆いたものの、トップは4枚の栗林さんで3枚が3名。残念ながら数人のオデコが出てしまったが、今日の状況では仕方ない。
　ヒラメのトップシーズンはまさにこれからなので、皆さんもハラハラドキドキを体験しに出かけていただきたい。

［キャプテンズネット　春栄丸］白川永一船長