マダイ釣り場としては太平洋沿岸で北限と言われる茨城県日立沖へ釣行するチャンスが巡ってきた。当地のハナダイ乗合に便乗し一つテンヤでマダイを狙った経験はあるが、マダイ専門の船で狙うのは初体験。どういう釣り場でどんな狙い方をするのか楽しみだ。
　
　日立久慈漁港の釣友丸を訪れたのは10月15日のこと。道具立ては各種エビタイ釣法のほかタイラバで狙えると事前に聞いていたので、一番使い慣れている一つテンヤのスピニングタックルを持参した。
　当日集まった6人のお客さんは4名がエビタイで2名がタイラバ。エビタイのお客さんはスピニングタックルの一つテンヤとリールシャクリが半々だった。
　5時半過ぎに出船。穏やかな海上を走ることおよそ30分で釣り場に到着。パラシュートアンカーが入れられ潮になじむと、
　「水深37メートルです、どうぞ」と合図が出た。
　開始早々、右ミヨシのお客さんの竿がグイッと曲がって1キロ弱のマダイが上がる。話を伺うと普段はリールシャクリだそうだが、この日は一つテンヤに初挑戦。テンヤ5号で思っていたより簡単に底ダチが取れ、着底直後にアタリがきたそうだ。
　続いて右ミヨシ2番のお客さんが30センチ級のアイナメを釣り上げ、その直後に700グラムほどのマダイを取り込む。聞けばこの方も一つテンヤ初挑戦。しかも貸し道具でこの日が船釣りデビューというから驚いた。
　「一つテンヤは手前マツリがない分、ビギナーでも釣りやすいですから」と若林一船長。
　自身もここ最近は一つテンヤにはまっているそうで、この日も操舵室の横から竿を出し、
　「今日はちょっと型が小さいかな」と言いながら小型のマダイをポンポン釣り上げている。