「ミヨシの米田さんはイサキの名人だよ！」
　そんな船長の言葉に、しばらく氏の釣り方を観察させていただいた。
　やはり仕掛けは指示ダナよりも5メートル沈めてシャクリ上げてくるのだが、硬めの竿を使っているためかシャクリは小幅でシャープだった。そしてポーズの時間は5秒とやや長め。
　船長も認める名人だけあって、常にダブルかトリプル。たちまち数ものびていく。
　船に用意されているイカタンのほか、バイオベイトやオキアミなども持参しており、状況変化への対応も万全のようだ。
　しばらく釣り方を見させていただいたあとで、声をかけると、
　「仕掛けに1本ウイリーを交ぜているけど、グリーンが食いカラーだよ」とのこと。
　そんな米田さんの隣では、石原さんが30センチほどのマダイを釣り上げた。
　ひと通り写真を撮り終えたところで私も再び釣りに参加する。
　当地のイサキは開始から1時間半後くらいまでがゴールデンタイム。それからしばらく食い渋る時間帯があり、10時過ぎからまた食いが立つというのが今まで一番多かったパターンだ。
　それだけに、食いが止まるまでにガンガン釣らなければ。
　イサキは私の期待に応えるかのように、次つぎにヒットしてくれた。30センチ以上のイサキが数尾掛かったときはハリスが切れるのではないかと心配になるほどの引きが楽しめた。
　そんな時、ひときわ鋭い引きがあった。慎重にヤリトリして取り込んだのは35センチのイサキと25センチのマダイであった。
　「船長、マダイですよ！」と自慢げに見せたところ、
　「そんくらいならいくらでも釣れっぺっおぅ！」と、ほめてもらえない。このくらいのマダイならいくらでも釣れるとのこと。事実、同級のマダイをさらに2枚追釣した私であった。
　9時を回ったところで北西風が強まって灘寄りに移動となったが、それでも食いは相変わらず落ちることはなく、仕掛けを入れるたびにイサキが掛かった。すでに皆さんは1つ目のタルは満杯にし、2つ目に魚を入れ始めていた。
　当地では20センチに満たない小型はリリースする決まりのため、私も10尾ほどリリースをしたが、それでも規定の50尾をクリアしたので竿を置いた。
　今日は釣り人6名中5人が50尾到達という爆釣。御宿沖は今期もイサキ釣りパラダイスである。

［義丸］木原義一船長