サバの姿が減ると、イカからのシグナルも減った。船長の話のとおり、サバのいる所にスルメイカも一緒にいるといった感じであった。
　場所は洲ノ崎沖220メートルダチ周辺で変わらず。しばらくすると、ミヨシの野末さんがヤリイカを取り込んだ。そして石井さんにも乗り。波、風、そして意外に強いイカの引きを交わして上がってきたのは大きなヤリイカ。続いて野末さんもヤリイカ2杯を取り込んだ。
　どうやら、ヤリイカの時間が訪れたらしい。
　私も底付近で掛けた。こうなったら追い乗りなんてぜいたくを言わず、1杯を大事に上げたい。
　水深が深いこともあるが、いつもより数倍も巻き上げが長く感じつつ、無事ヤリイカをゲット。朝方私と同様にサバに苦しんだ右舷の方がたもヤリイカを手にしていた。
　海も天気も悪くなるもののヤリイカが乗り始めたので、さっきまでの折れそうな心は一転、少しでも長く釣っていたいと願うようになる。
　イカの動きは早いようで船長も操船が大変、反応を見つけて再投入すると石井さんと私に乗り。ヤリイカが3杯付いていたが、なんと取り込みで落下し1杯に。こりゃ悔しいと急いで投入するも、ここで雨も強まり続行不能、12時に早揚がりになった。
　「本当に残念でした。いい反応も多かったのですが、波で追い切れなかった……」と船長。
　ヤリイカはトップで4杯と、ここから数をのばすところで幕切れになってしまったが、スルメイカはトップで22杯とお土産になった。
　悪条件の中、がんばっていただいた船長やお客さんたちに感謝。その後、ヤリイカは順調に上がっているので、これからの本格シーズンに期待しましょう。

［やまはち丸］出口　訓船長