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[オニカサゴ]
弓ケ浜港出船 …石廊崎沖  月見丸

名場所・南伊豆の大型オニカサゴ あれこれエサを試しながら スソでも5尾の満ち足りた釣り

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フィッシングライター◎訓覇 啓雄
掲載号: 2010年2月15日号

「宝の山に 当たったよ!」 驚くべき連続ヒット

 


良型オニの容赦ない突っ込みに唸りを上げて巻き上げ続ける電動リール
まさに宝の山。オニカサゴが船中ほぼ同時に食ってきた
1.5 キロもあると相当大きい。型と安定した釣果が南伊豆の魅力


 水深こそ少々深いものの、冬を代表する釣り物として根強い人気を誇るのがオニカサゴ。つり情報カレンダーでも1月の魚として採用されているほどだ。
 日本海や九十九里など比較的新しい場所も含め、ポイントは各地に点在するが、やはり実績で定評があるのが伊豆半島。オニカサゴの正式な名前(標準和名)もイズカサゴだから、伊豆とこの魚の関わりは何かと深いのである。
 1月9日、南伊豆.弓ケ浜港の月見丸へ。タイや青物が下火になるこの時期、伊豆ではオニカサゴを釣り物メニューに加える船宿が増える。しかし、月見丸は周年の根魚船。経験も豊富で、ことオニカサゴ狙いに関しては非常に心強い。
 7時の投入開始に合わせ、6時過ぎに青野川河口の船着き場を離れる。乗船者は私を含め4人。天候や状況によっては神子元方面へ走ることもあるが、船長が得意とするのは石廊崎沖。
 風はそれほどでもないものの、ウネリは意外に高い。小1時間かけてポイントに到着。さらに沖にはこのところ好調なヤリイカを狙って大船団が形成されている。
 合図で投入スタート。船で用意するエサは定番のサバと、ちょっと意外なアナゴの2種。食いそのものはそれほど大差ないようだが、エサ持ちのよさと臭くないのがアナゴのチャームポイント。これに持参したイイダコを加えて3本バリにそれぞれセット。どのエサに軍配が上がるのだろうか。
 近年のオニカサゴ釣りではタコベイトや水中ランプ、夜光玉などのアピールアイテムを使うケースが多いが、今回はあえてシンプルな素仕掛けをチョイス。
 ポイントの海底は水深150〜180メートルのカケ上がり。オモリは180号で統一。日によっては150号でも余裕で大丈夫だが、場所が場所だけに潮の流れが複雑で、カッ飛ぶことも珍しくないから、少々重めを基準にしているのだろう。
 オモリがトンと底に着いたら1メートル巻き、ここを基準にゆっくりと竿先で聞き上げて誘いを入れる。海底の起伏はあまりきつくないので、オモリごと取られるような根掛かりは少ない。しかし、けっこうなカケ上がりなので、とんでもないタナを釣らないようまめに底ダチを取り直す必要はある。
 私の反対側、左舷ミヨシで早くも竿が曲がる。上がってきたのは0.8キロ級のレギュラーサイズ。この1尾を皮切りにトモ寄りのお2人もポツポツと本命を上げ始めた。
 底物だから釣り座による影響もあるとはいえ、まったく反応がないと焦りも出る。もう少し水深が浅ければカンコなども交じってくるが、この場所では外道はほとんど期待できないらしい。
 潮はあまり効いていないようだが、流すたびにだれかにアタリがあるところを見ると、底潮は適度に流れているのだろう。
 ようやく竿先にゴゴッと感触があったのは10時半。これも0.8キロ級のオニカサゴで、上バリのイイダコエサに食い付いてきた。
 直後の流しはすごかった。まずトモ2人に相次いでアタリがきたと思ったら、左舷ミヨシでも巻き上げ開始。そして、底ダチを取り直そうとオモリを着底させ、素早く糸フケを巻き取った瞬間にゴゴンとアタリ。これで全員ヒット。「宝の山に当たったよ!」と喜ぶ船長。群れを作らず、しかも縄張り意識のあるカサゴ類は基本的に単独行動。それが4人同時にヒットするのはかなり珍しい。
 船長にしてみれば、まさしく鉱脈を探り当てた山師のような気分だろう。とくに左舷大ドモの常連さんは中型と大型の一荷を達成。


 

 


 

 

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