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[クロダイ]
内房保田港発…保田沖 村井丸

内房名物乗っ込みクロダイ シーズン本番突入だ!

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本誌APC(埼玉)/ 釜井昌二
掲載号: 2011年5月15日号

タナは間違ってない !?

 


マダイに負けず、カッコイイ魚ですよね!


 小学生のとき、ふと手に入れた少年釣り雑誌で私は「磯の王者、クロダイ」と出会った。それからウン年後、学生時代に凝った磯釣りで、初めてクロダイを手にした時の興奮と喜びは今も忘れ得ぬ思い出となっている。
 時は流れ、私の釣りはもっぱら沖釣りへと転向してしまった。それでも春の乗っ込みと聞けば、いぶし銀に輝くクロダイを思い描いてしまう。
 そんなわけで春もたけなわ、乗っ込み間近のクロダイを求めて4月17日に釣友の平山君を誘って内房保田港の村井丸を訪ねた。
 
 村井丸は一年を通して40号ビシ使用の「ライトウイリー」を看板としたライトタックル乗合の先駆といえる船宿として知られる。
 周年釣れるアジ、初夏から秋のハナダイやイサキ、冬のイシダイなど、四季折々のターゲットをライトタックルで楽しませてくれる。
 とりわけ春はクロダイがメインターゲットに格上げされる季節。それゆえ春限定の釣り物で「ライトクロダイ」が登場する。
 この日は私を含めて10名の釣り人が集まった。私は左舷ミヨシ、平山君は右舷ミヨシに釣り座を構えた。
 6時に出船。ゆっくりと港を出てしばらくすると、釣り方やタナの取り方、船上でのルールやお願いなどが、船長からていねいにアナウンスされた。その日の釣果を左右する情報が盛りだくさんだから、乗船の際には耳をダンボにして聞いていただきたい。
 取材時はまだ水温も低めで、クロダイの乗っ込み本番には至らない状況とのこと。ウイリーでアジを釣りながら、同じポイントでクロダイを狙っていきましょうと船長から説明があった。
 航程15分ほどで真沖のポイントに到着。水深23メートルで開始の合図が出た。
 「ウイリー仕掛けにもクロダイは食ってくるんですよ。ただし、まだ荒食いしている状態じゃないですから長ハリスのほうが俄然有利ですね」と村井船長。
 大本命がクロダイであるがゆえ、長ハリスで攻め通すか、はたまたアジのお土産確保を目論んでウイリー仕掛けでスタートするか決めかねるところ。
 迷った末、私と平山君ほか1人が長ハリスで最初からクロダイ狙い。そのほかの皆さんは全長2.5メートルほどのウイリー仕掛けでスタートした。
 船中1尾目は私の隣のカップルの女性にヒットしたアジ。ややもたつきながらも24センチ級のマアジをなんとか取り込んで大喜び。続いて平山君、私と続いたが、アジの食い気は今ひとつ。
 「水温は一昨日より少し回復しているんですけど、潮がほとんど動いていませんね」と船長も困り顔だ。
 それでもポツリポツリと中型のマアジや良型のマルアジが顔を見せ、少しずつアジの釣果はのびていった。
 ほどなくして右舷トモ2番ではカサゴが釣れ、私にも良型のカサゴがヒット。この1尾で、私の付けエサが底近くを流れていることは確信できた。底からハリス分にタナを取っていたから、同じタナで攻め続けることとする。
 しかしこの後は、良型のクロメバルとエサ取りのウマヅラを追加したのみで、なかなか本命からのシグナルがやってこない。


 

 


 

 

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