ここでの指示ダナは少し浅くなって30メートル。しかし潮がほとんど流れず、先ほどの場所とは打って変わって平和すぎる状態。皆さん、数回投入を繰り返すもののアタリは少なく、ときおり小型イサキが単発的にヒットするのみとなる。
　午前10時、この状況にしびれを切らした船長から、
　「やはり潮が流れないと釣れないから、サバは多いけど先ほど場所に戻ります」とのアナウンスがあり、再び十六根へと移動した。
　すると、1時間ほど釣り場を休ませた効果か開始早々大きなアタリがあり、30 センチ級のイサキがトリプルヒット！
　その後もイサキのアタリが連発し、35センチ級の良型も交じってきた。
　このまま最後まで釣れ続くかと期待したものの、正午を過ぎると再びゴマサバが回ってきた。
　ちなみにハリ掛かりするサバは50センチ級の大型ばかりで、ときおり60センチ近い超大物もヒットして3号ハリスでは切られることもしばしば。
　そこで5号ハリスにしてみたが、今度は抜き上げるとき魚の重みによる口切れでバラしてしまうことも。後検量1.5キロもあるサバを見た船長は、
　「もっと大きいのもいるよ」と言っていたが、どれだけ大型がいるのだろうか？
　午後1時、後ろ髪を引かれる思いで沖揚がりの時刻を迎えた。当日の釣果は30〜55尾で、私自身も途中1時間ほど撮影のため手を休めたものの40尾ほど釣り上げることができた。
　船宿に戻ると、皆さんやや不完全燃焼の様子であったが、女将さんが、
　「昔は50尾も釣れればみんな満足していたのに、最近は100尾とか釣れちゃうと50尾では少なく感じるから困っちゃうのよねぇ」と苦笑していた。
　土屋裕司船長によると、イサキはこれから7月にかけて最盛期に突入し、釣果も脂の乗りも最高によくなるとのこと。外れのないイサキの数釣りを楽しみに、須崎沖に出かけてみてはいかがだろうか？

［大黒屋］土屋裕司船長