7時を過ぎたころからわずかながら潮が流れ始めたようで、ガツガツガツと左ミヨシの浪岡さんの竿が派手にたたかれた。今度は合わせも決まって1キロ級が無事に取り込まれた。
　そのヒラメを写真に収めていると、
　「こっちのおねーちゃんのはデカそうだぞぉ！」と船長が叫ぶ。
　ドラグを滑らせながら格闘した末に浮かせたのは50センチオーバーのアイナメ。それを見てキョトンとする福水さん。どうやらアイナメを釣ったのも初めてらしく、「うまい魚だよぉ」と船長に言われてうれしさが湧いてきたのか、とびきりの笑顔を見せてくれた。
　だが潮が動いたのはこの一瞬だけだったのか、再び魚信は遠くなってしまった。
　そんなとき、誘いを入れていた私の穂先がコツーンと伝わる魚信をとらえた。
　食い込みを静かに待っていたのだが、一向に次のシグナルを伝えてこないので静かに竿を起こすとグッと重量感。エサをくわえているのは間違いなさそう。
　しかし、これもイワシをくわえただけで放してしまったようだ。
　そこで船長は沖に15分ほど移動して仕切り直す。
　「やっときました」と竿を満月に曲げてヤリトリを始めたのは右トモ室園さん。無事ネットインしたのは2キロのヒラメだった。
　圧巻だったのは右ミヨシ2番葉山さん。2キロ級を釣り上げたかと思えば、続けて良型のホウボウもキャッチしてみせた。
　いよいよこれからか？
　とも思ったが、ここで昼の沖揚がりとなってしまった。
　入梅期は天候が安定せず、雨による濁りや水温変化によって釣果も安定しないものの、梅雨明けとともに数がのび始めるのが例年のパターン。皆さんもヒラメ釣りの肩ならしに出かけてみてはいかがだろうか。ちなみに長栄丸はエサ代を別料金（2400円）で支払えば2本竿を出すことも可能だ。

［長栄丸］木村真喜雄船長