9時半を過ぎるとウネリも落ち着き、それと同時に体調も復活。遅ればせながら船内の様子を取材して回ると皆さん順調にイサキを釣り上げていた。釣り場は朝と同じ横根周りの40〜60メートルダチで、タナは35メートルであった。船長によると、
　「この場所の水深は60メートルですが、底から20メートル上くらいまでカケ上がる根があり、その根の周りにイサキの群れが着いているんです」とのことであった。
　10時過ぎ、息子ともども釣りを再開。すると1投目から心地よいアタリがあり、イサキがダブルヒット。朝イチよりも若干サイズダウンしているものの腹がパンパンの個体が多く、放精しているオスも見られた。
　5月中旬に須崎沖のイサキを狙ったときは大型のサバが多数交じったが、この日はサバがまったく現れず、トゴットメバルがときおり顔を見せた程度。イサキ釣りとしては大変快適な状態なのだが、〆研の研究材料としてサバも期待していた訓覇氏はやや残念そう。それでも、釣れたイサキを1尾1尾ていねいに神経絞めをしたりしていた。
　過去、須崎沖のイサキ釣りでは昼ごろから入れ食いモードになることも多かったからと期待したが、この日は残念ながら様子が異なり、正午を過ぎるとイサキの活性は下がってしまった。それでも船長は諦めることなく魚探を見ながらまめにポイント移動を繰り返してくれ、やがて13時に沖揚がりとなった。
　当日の竿頭は右舷ミヨシで竿を出していた常連の土屋氏で、マダイ狙いの2本バリ仕掛けを用いながらも60尾のイサキを釣り上げていた。最初から最後まで1本バリ仕掛けでマダイ狙いに徹していた方がたも含め、船中平均は1人40尾前後。船酔いでダウンした私もなんとか30尾ほど釣り上げることができた。
　マダイは残念ながらノーヒットに終わったが、須崎沖では周年マダイが期待できるので、これからもまだまだチャンスはあるだろう。
　船長によると、
　「イサキはこれから脂の乗りがピークに達して食味、釣果とも最盛期に突入します」とのこと。旬のイサキの数釣りを楽しみたい方はぜひとも須崎沖に出かけてみてはいかがだろう。

［若宮丸］土屋嘉公船長