TJ-web  
電子版
から探す
キーワード(釣り物、釣り方etc.)

 

 

 

[キンメ]
南伊豆下田須崎発…新島沖 稲荷丸

南伊豆のキンメは大型ぞろい 夢の〝メガキンメ〞を狙え!

Check

本誌APC(東京)/椎名義徳
掲載号: 2011年7月15日号

まずは浅場を狙ったが !?

 


重くてこれ以上持ち上げられません。やった~!
魚の下へ網を差し出しましょう


 「うわっ、デケェッ!」
 「まだ掛かっているよ!」
 2キロクラスのデカキンメの乱舞に船上は興奮のるつぼと化す。
 キンメの釣り場は各地に存在するが、サイズのよさではやはり新島沖海域が筆頭といえよう。
 食味も脂の乗りも別格。トロキンメと称されてブランド魚として扱われる極上魚だ。
 メッカと言われるだけに南伊豆は1年を通じてキンメ釣りが盛んなエリアでもあるが、とくに6〜8月にかけては2キロ超の良型はもちろん、年に数枚上がる4キロ台のメガトン級も毎年この時期に釣れ上がっている。
 今年も6月に入ると同時に各船宿で3キロ超級が連日のように上がり始めた。
 こうしちゃおれん!
 とばかりに南伊豆須崎港の稲荷丸に急行したのは6月19日。稲荷丸はイサキ、マダイ、メダイなどの釣り物を看板としているが、キンメも大の得意。なにせ釣り客の予約がない日は職漁としてキンメを狙っているからである。
 ここ最近は釣れ具合がいいとあってキンメ狙いの他船もほぼ満員状態。
 稲荷丸も2隻出しの大盛況で、私たち5名のグループは大船長である森繁さんの船に乗り込んだ。
 
 3時20分ごろに出船となり、小1時間ほどで釣り場に到着する。
 まずは「イロウアワセ」と呼ばれる250〜300メートルダチの浅場を狙う。このポイントで1〜2投し、お土産を確保してから新島寄りの本命ポイントで良型を狙うのが一般的なコースだ。
 開始時間の4時20分となりミヨシの私から投入のかけ声がかかる。滞りなく全員の仕掛けが投入されたところで、
 「水深280メートル。深くなっていくよ」とのアナウンスが出た。
 底から1〜2メートルほどオモリを上げ、以降は底ダチを取り直しながらアタリを待つというのが一般的な釣り方だが、潮が速い当地ではオモリを底から離そうものならたちまち仕掛けが浮き流されてしまい、ポイントを外れてしまう。
 そこで当地ではオモリを底に着けた状態で道糸を送り出しながらアタリを待つスタイルとなっている。
 ほどなくして愛竿ディープインパクトにキンメからのシグナルが伝わってきた。ガタガタと力強いアタリが途切れなく続く。幸先いいスタートとなりそうだ。
 道糸が500メートル出たところでミヨシからの巻き上げ合図。捨て糸が切れてからも竿はいい感じにカーブを描き、かなりの数が掛かっているようだ。
 ところが海面が近づくにつれて私のラインだけ船下方向へ流れていく。ありゃりゃ……お隣の船とオマツリだ。
 ようやく仕掛けが戻ってきたが、掛かっていたキンメは2枚だけ。もう少し掛かっていたと思っていただけに残念至極。
 早朝の浅場狙いは2流しで終了。私は3枚、いい人が4枚という釣果。しかしどれも1キロ級と、この水深にしては文句なしのサイズばかりだった。
 新島寄りの深場へ移動するも釣況は芳しくないようで、先着の僚船からは空流しに嘆く声ばかり。
 しかし、そんな釣況下でも現役キンメ漁師の船長の勘は冴えているようで、単発といえども本船だけは流しごとにだれかしらにキンメが掛かっていた。


 

 


 

 

Page1 まずは浅場を狙ったが !?
Page2 6流し目に起きたドラマ!



※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。