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本誌編集長◎沖藤 武彦
掲載号: 2010年10月1日号
意外や時折エサが丸裸。 かやごんの対応策は?
フキ抜き用のハリは「トーナメントニードル」という商品名。釣具店で取り寄 せてくれるはず
レンジマスターでのゼロテンションで1人掛けていた方。さすがでした
「いやあ渋いですね。かなり我慢して掛けました」
タタキの後、アタリを察知してからじっくりと仕掛けを送り込み、ときにゼロテンションの状態で待ってようやくハリ掛かりさせたかやごん。そういえば、船中ではたびたびハリが外れてバレることがあった。
「カワハギもいるはずだけど、元気がないんだねえ、ベラとかが先に食っちゃうもの。それにバラシが多いでしょ。元気があるときはまずカワハギがくるしそれほどバレないもんだよ」と船長。食いが渋いときというのはハリ掛かりが浅いそうだ。
そんな中コンスタントに釣っていたのが私の隣の方。宙層狙いと底狙い両方を試していたが、どうやらオモリを底に着けてゼロテンションの状態で待ち、反応があったらゆっくりとたたくようにしてハリ掛かりを促していく方法に正解を見いだしたようだ。
この方が使っていた竿はレンジマスター。穂持ちと胴はもちろん竿先も他のDAIWA製品より一段階硬い竿だ。仕掛けは中オモリなし。アタリに対して「竿が掛けてくれる感じ」で10枚をマークした。
一方、かやごんは中オモリを外さない。自分のスタイルを変えることなく釣り続けていた。
しばらくすると、時折エサを取られるようになる。
「これ、カワハギだよなあ」
チクチクと小さな変化だけを伝えてエサを丸裸にする魚の正体は何か?
宙を探るも、活発に追ってくるほどではない。
ここでかやごんは、エサをあらかじめ塩漬けにしておいた小粒のアサリに変更する。
「最強の法則」でも紹介したが、かやごんは仕掛けや釣り方以上にエサの付け方や大きさを変えることを重視している。
この対応が奏功したようで、これまでわずかにチクチクと微妙な変化しか伝わってこなかったのが、明確なアタリとして伝わってくるようになる。そしてゆっくりとした送り込みでハリに掛ける。上がってきたのは20センチほどのカワハギだ。
チクチクと小さなアタリしか伝えてこなかったから、てっきりキタマクラかトラギスと思っていたら、カワハギとは……。
「新鮮な軟らかいアサリでアタリがよく分からず丸裸にされるときに、1年前に塩漬けにしたような、硬い小さなアサリを付けるとアタリが分かるようになったりしますよ」
かやごん、さすがである。撮影でしばしば手を止めていただき、質問責めにしたものの、終わってみれば同数竿頭の10枚をキャッチしたのであった。
[山下丸]山下 弘司船長
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