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本誌編集部◉尾川 泰将
掲載号: 2011年10月15日号
海水温が高すぎる?
オモリが着底してシャクリに入ると、右舷トモの樋口さんが早々に電動リールのモーター音を響かせた。聞けば、
「1シャクリで乗った」とか。浮上してきたヤリイカは胴長20センチ弱、しかも2杯掛け。1杯は下方にセットした赤白のウキスッテを抱いている。
少し移動しての2投目、今度は右舷ミヨシの朝倉さんと下山さんがすぐに巻き上げ開始。着底と同時に抱きついたようで、これまた一荷だ。
この勢いなら軽く30杯は超えそうだが、
「あとが続かないねぇ。反応はあるのに……」と船長がボヤくとおり、ツノに抱きついてくるのは反応に当てた1投目だけ。それもオモリが着底した直後に集中している。
この日は猛烈な残暑。ヤリイカも、ちょっと動くだけでひと休みしたくなるのか?
ツノの抱き具合も浅く、巻き上げ途中のバラシも多い。
表層の海水温は27度と南国並み。循環ポンプで新鮮な海水が回っているのに、ヤリイカを泳がせたバケツを覗くと短時間のうちに息絶えてしまっている。
それでも130、150、再び110メートル……と水深を変え、こまめに反応を探してくれる船長のおかげで地道に数はのびていった。
群れのど真ん中に船が入った流しでは、朝倉さんがスルメイカを1杯交えた圧巻の4点掛けを達成、こちらも一荷でヤリイカを取り込めた。もう少し海水温が下がれば、こうしたチャンスタイムが何度も訪れるようになるだろう。
午後2時に納竿しての結果は、朝倉さんと下山さんが15杯ずつ、樋口さんが14杯。これにプラスしてスルメイカが1〜2杯。どういうわけか私はスルメイカに好かれてスルメ6杯にヤリイカ7杯という結末だった。
バラした数を考慮するとヤリイカの湧き具合は上々といっていい。サイズも胴長15〜20センチを軸に、はや25センチ弱に育った個体も見られたので今後が楽しみだ。
今号発売と同時にオープンする初島周りには、真鶴沖をしのぐ濃厚な群れが溜まっているはず。開幕直後のウブなヤリイカに大釣りの夢を馳せるなら、早めの釣行が功を奏すだろう。
[平安丸]小林秀夫船長
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