「ここらで8キロくらいの釣りたいですねぇ」などとミヨシ氏と話をしていたところ、
　「この流しで仕舞うよ」とアナウンスが出た。
　このまま揚がるとエサも残ってしまうからと5本バリすべてにサンマの半身を付けて投入してみた。
　大きなエサの効果か、いきなりグッとアタリきた。ところがハリ掛かりには至らない。エサだけを取られたのだろう。
　そこで仕掛けを少したるませた状態からゆっくりと手巻きで誘い上げてみたところ……ダン、ダダン、ダン！
　うわっ!?まるで大きなサメでも掛かったかのような凄いアタリが到来。
　巻き上げを開始すると竿にズッシリと重みが乗り、途中の抵抗もガンガンと激しい。海面下に見えてきた魚はかなりのサイズだ。
　「うおお〜デカイよ、デカイ！」
　ボカンと浮上した魚体を見て、私は思わず歓声を上げてしまった。
　スパンカーを下ろしている途中だった船長が慌てて駆けつけてくれ、無事に取り込んだのは後検量8.4キロ。もちろん当日最大である。
　毎年の恒例釣行となっている平潟のマダラ釣りだが、このサイズを釣ったのは久しぶり。心の底からうれしさがこみ上げてきた1本であった。
　当日は2〜8.4キロのマダラが1人3〜7本。ほか800グラム前後のメヌケが船中2尾。数はのびなかったが当地のマダラは今年も健在。この先年内いっぱいは白子で鱈腹になったマダラが期待できるだろう。
　それにしても新鮮なマダラはうまいなあ。食べ過ぎて私のお腹も鱈たら腹ふくです。

［第15隆栄丸］鈴木和次船長