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[ショウサイフグ]
茨城県鹿島港発…鹿島沖 幸栄丸

ショウサイフグを思う存分 釣りたい人は鹿島へ急げ!

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本誌編集長/沖藤武彦
掲載号: 2011年11月15日号

鹿島のフグ乗合に集う人たち

 


フグファンにとってはたまらない好調!ぜひ、フグビギナーを誘って鹿島で楽しんでほしい


 「はいどうぞ、反応は底から5メートル上ぐらいまで出てますからね」
 幸栄丸.小野和儀船長のアナウンスとともに25人が一斉に仕掛けを下ろすと、右舷で、左舷で巻き上げが始まる。1尾、また1尾、左右で同時に、トモとミヨシで、ときにダブルで、白い腹を膨らませたフグが取り込まれる。
 ひとしきり釣るとアタリが遠くなって潮回り。
 「いつもはね、これがずっと続くんだ。今日はシケだし、しんどいね!」
 常連さんとおぼしき方が教えてくれる。どうやらこれでも本調子ではないらしい。
 船は反応を探しながらゆっくりと旋回を繰り返す。そして、イカの反応でも見つけたかのようにピタリと止まる。
 「はい、お待たせしました。また反応が5メートルぐらい上まで出てるからねえ」
 再び船上は入れ食い。鹿島沖26メートルダチ。まさに爆釣であった。
 
 例年、鹿島のフグ釣りはカレイからバトンを受け継ぐように夏前に開幕し、夏、秋をへて冬まで続き、年が明けてカレイが多く交じるようになると、カレイ乗合へとバトンを渡し終了する。
 そのシーズンの中で必ず好調に釣れる時期が何度も訪れ、
 「鹿島サイズ」と呼ばれる30〜40センチの大型交じりで釣れ盛る。
 そんな鹿島のフグ釣りで今年、釣り人にとってうれしい異変が起きている。例年なら周期的に訪れる爆釣の「山」が、途切れないのだ。天候に起因する日によるムラ以外、ずっと釣れ続いている。
 前号の本誌連載「魚心あれば…」で工藤孝浩さんが紹介してくれたように、まさに隆盛。と、いうわけで、10月18日、その工藤さんとともに当地の幸栄丸を訪れた。
 ところがこの日はあいにくの北寄りの強風で、海上はシケ模様。5時半に港を出て北へ船を走らせたポイントで朝一番こそ好調に釣れたが、その後は落ち着いた展開。
 それでも満船ながら9時までには多くの人がツ抜けしていて、鹿島サイズも多く上がっている。他のフグ釣り場に比べても十分な釣れ具合に見えるのだが、今期の鹿島にしてみれば、前記の「天候に起因する日によるムラ」の展開のようだ。
 話はちょっとそれるけれど、この日幸栄丸で乗り合わせた25人のお客さんは、いくつかのタイプに分けられた。
 まず「地元の人」。爆釣モードに慣れていて、入れ食い時に早巻きできる電動リールと、バケツからフグが溢れないようネットなどの準備が万端。定期的なシャクリ、いわゆるタイム釣りの人がほとんどで、効率よく釣る。
 次が「外房周辺のフグファン」。オモリ25〜30号のカットウ釣りに精通していて、グラスワンピースや和竿を自作している人もいる。
 続いては「湾フグファン」。実は湾フグ用の竿でも元が強ければ鹿島で使うことができる。さすが江戸前、アタリを取る釣り方を好み、冷凍アマエビを持参する人も。例年、渋い日並みに竿頭になるのがこのタイプだ。
 そして「フグ初心者」が意外に多く、当日は7人もいた。他の釣りはやっていても、フグは初めて。鹿島でよく釣れているようなので専用竿を購入してきました!
 という、とてもピュアな人たちだ。
 こうして平日25人の大盛況となっているのだが、タックルや経験値、釣りスタイルまでみんなバラバラ。船長はそれを歓迎する。
 「釣り方も、竿も、みなさんの好みで楽しんでいただいていいんです。もし、うまく釣れなかったら仲乗りや私に聞いてください」
 幸栄丸のスタンスは「楽しんでもらうこと」。私たちは仕掛けの最低限のルールを守って、楽しく釣ればいい。


 

 


 

 

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※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。