しかし時合は40分ほどで過ぎ去ってしまいジ.エンド。午後1時の沖揚がりを迎えて船中35枚という好調ぶりのなか、腑甲斐なくも私だけが小ダイ1枚に終わってしまった。
　不出来な居残り組として私だけが、えびすや釣具店所属の長栄丸にて残業すべく夜ワラサ釣りに挑む。
　午後4時半に出港、同乗者に聞けば皆さん「マダイ不釣」の残業組であった。
　5時、有間川沖60メートルダチのワラサポイントに到着。1時間後、突然私の剛竿がギュンと海面に突き刺さる。すかさず電動巻き上げしたが、ワラサは正に元気一杯で見事なまでの暴れっぷり。
　鋭い突っ込みがギュギュギューンと間断なく続き、もうクセになりそうだ。このファイトこそがワラサ釣りの真骨頂であろう。
　海面近くでもひるむことなく横走りするワラサをエイッとばかりにゴボウ抜きすると、丸まると太った3キロ級。さぞや脂も乗り美味な代物であろう。
　今夜はド満月の悪条件下ではあるが、その後もワラサは釣れ続きホッとひと安心。
　9時半、後ろ髪を引かれる思いで有間川沖に別れを告げた。釣果は2.5〜3.2キロのワラサが船中5人で計45本であった。12月ともなれば4〜6キロ級主体に10キロオーバーのブリ級も頻繁に顔を見せることであろう。

［えびす屋釣具店　謙信丸］金玉 文明船長