今度は葉山沖の水深30メートルから釣りを再開。
　「底から13メートル上までの間を探ってください。仕掛けが2往復したら回収してコマセを詰め直してください！」というアナウンスが出た。さらに、
　「コマセを適度に出しながらシャープに誘えるといいのですが、コマセカゴの調整がうまくいっていないと、誘ったときにコマセが出過ぎてしまいますので気をつけましょう！」と注意をうながした。
　さっきまでのマダイ狙いと違い、ウイリー仕掛けの場合はコマセカゴが底に着いたらまずは1メートル巻き上げ、2回連続で細かくシャクりながら1メートル刻みで誘い上げていく。誘い上げたあとの食わせの間は3〜10秒くらいがいいとのこと。
　食わせの間に幅があるのは潮の速さなどによって変わるからだ。
　船中全員で誘いを繰り返していると、ソウダガツオとサバがヒットし始めた。
　そんなときに竹林さんがヒットさせたのは良型のカマス。魚探の画面を見ていた船長が、
　「底一帯にカマスの反応が出ています」とすかさずアナウンスした。
　すると私にもアジと良型カマスがダブルヒット。続いての投入ではアジのトリプルを達成した。
　驚かされたのはミヨシの山本さんで良型のアマダイとイサキを上げていた。
　左ミヨシに目を移せば福田さんがイナダ、右舷では良型イシモチやイシダイが顔を出している。
　こういった様ざまな魚が掛かるのもウイリー仕掛けならではの楽しみ。
　そんなときに私にアジらしきがヒットしたあと、強い引きが伝わった。もしかしたら……アジにヒラメでも食い付いたのかな？
　慎重に巻き上げてみたけれど、途中からフッと軽くなり、上がってきた仕掛けにはマルアジの頭がぶら下がっていた。ああ……悔しい！
　最後に、朝狙ったマダイポイントへ。
　「少しポイントを休めたから、いいかもしれないよ」と船長が予言したとおり、再びマダイラッシュに遭遇。ここで私は3枚のマダイを上げることができた。
　沖揚がりは12時半。マダイは1.5キロを頭に船中29枚。このほかハナダイ、アジ、イナダ、イシダイなど多彩な魚たちが上がり、実に楽しい釣行となった。

［秀吉丸］小川　敦船長