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本誌APC(埼玉)/釜井昌二
掲載号: 2012年1月1日号
フグが福を呼んだ !?
巻き上げ中は竿を抱えていたほうがバラシにくい
スルメ交じりの5杯掛け。お見事!
その後も、ポツリポツリと単発の乗りは続いていたのだたが、せっかく乗ったヤリイカを何者かに強奪される事態が連発。業を煮やした船長は、20分ほど船を大きく移動させる。
そして移動直後、ちょっとしたハプニング発生。なんとミズフグ(ヨリトフグ)が猛襲してきたのだ。幸い私は難を逃れたが、乗ったイカをズタボロにかまれる人や幹糸をかじられてオモリを失う人まで現れた。
ところが、このフグが福を呼ぶ。その直後からイカの活性が高まり、まずは右舷ミヨシ氏と私がスルメを取り込む。
続けての投入では船中あちこちでヤリイカの2〜3点掛けが決まり、船上のボルテージが上がった。
また、それまでは「やってみて〜」とだけ投入の合図をしてきた船長が(ちなみに長谷川丸では、投入合図でタナの指示がないときは底狙いを意味する)、
「100〜130メートル」と幅のあるタナを指示するようになった。こんな指示が出るときはイカの群れが厚く、多点掛けが狙えるチャンスタイムとなることが多い。
その流しでは右舷の3人全員がヤリイカの乗りをキャッチ。それぞれ3、2、2点掛けと好ムードでイカを取り込んだ。私は指示ダナの上方から少しずつ仕掛けを落とし込み、仕掛けの落下を止めるイカの乗りをキャッチ。良型を連発で仕留めた。
その後も反応は良好で、投入さえできればイカが乗ってくる展開となる。
私が4点掛けを達成すると、左舷ミヨシ氏は5点掛けを披露。序盤、低調だった右舷胴の間氏もベテランらしい素早い手返しで後半になって一気に釣果をのばすなど、船上はますますヒートアップしていった。
午後3時に沖揚がり。船中釣果は胴長30センチ級の中型を主体にヤリイカが11〜19杯。これに0〜4杯のスルメイカが交じった。
ヤリイカのシーズンはまだ始まったばかり。今冬はもちろん春先、長ければ初夏まで楽しめるという。当地は速潮に見舞われることも少ないとのことだから、ヤリイカ入門者にもおすすめしたい。
[長谷川丸]谷川元則船長
Page1 イカの乗りは底中心
Page2フグが福を呼んだ !?
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