私から遅れて巻き上げた村上記者が仕掛けをたぐると、
　「あっ、3杯……4杯。あれっ、まだいます。あっ6杯でした〜！」と言いながら満面の笑みを浮かべている。
　次の流しでも村上記者は3杯掛けと絶好調。私はコンスタントに乗るものの、掛かっているイカは1〜2杯となかなか数がのびない。
　さらにショッキングだったのは、お客さんの撮影に向かった村上記者の道具を使い、操船がてら竿を出した船長が、あっさりとトリプルを2連発させてしまったこと。このときもやっぱり私は1杯掛けだった。
　この差はナニ？ 一体どうなってるの？
　私のヤリイカ釣りの海中イメージと村上記者や船長の釣れ方が一致せず混乱してしまったので、船長にヤリイカの反応の出方と釣り方を尋ねてみた。すると当地の特徴として底から30メートル上くらいまで活性の高い反応が出ることがあるので、底まで仕掛けを落としたら1杯でも多くヤリイカを掛けてから巻き上げたほうがいいとのこと。
　私はイカを誘って乗せたら、素早く取り込んで次の投入に移る釣り方だから、どうやら追い乗りさせる「間」が足りないらしい。
　そこで頭を切り換え、イカが1杯乗ったあともじっくり追い乗りを待つようにしたところ3杯掛けができた。
　ようやくイメージがつかめてきたころに13時となり、
　「これで揚がりまーす！」というアナウンスが出た。
　私の釣果はスルメ22杯とヤリイカ18杯で計40杯。当日のトップで竿を置くことができたが、前半は当地の釣り方をなかなか飲み込めず、やや消化不良気味の一日だった。
　ヤリイカのサイズについては胴長15〜20センチ前後が大半とやや型が小さめだったが、船長によればこれからは胴長30センチを超えるオスがズラズラと乗り、私が得意としている直結仕掛けでも数釣りが楽しめるとのこと。
　いつ本格化してもおかしくない布良〜白浜沖のヤリイカに皆さんもチャレンジしてください。私もそのうちリベンジしたいと思います！

［早川丸］右から早川勝巳船長、 若船長の早川元樹さん