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[アジ]
内房金谷港発…金谷沖 忠七丸

金ピカアジの入れ食い堪能 水深 12 メートルのマジック!

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本誌発行人/根岸伸之
掲載号: 2010年12月1日号

大型クーラーの不思議

 


超浅場で中大型のアジ入れ食い。さすが金谷沖だ
脂たっぷりの金ピカに輝くアジ
先陣を切って釣れた35 センチ級の大アジ


 内房金谷と言えば昔からアジが定番。今では味のよさから「黄金アジ」という名前で多数のメディアにも紹介され、ほぼブランド化している。
 私も金谷には20年以上前、サビキ仕掛けで釣っていたころから釣行していたが、ここのところトンとご無沙汰。どうも視点が流行のカワハギやアオリイカばかりに向いていたせいだろう。
 
 リニューアルした本誌のホームページを何気なく見ていたら、23〜35センチという型ぞろいのアジを竿頭で71尾というおいしい釣況をキャッチした。発信元は内房金谷港の忠七丸、詳しい情報を見ようとしたが、今時の船宿にはめずらしくホームページを持っていない。
 しかも2カ月ほど前、本誌に名前が載って以来、まだ取材していないので詳しい船宿の様子も不明。ということで、まずはごあいさつを兼ねて訪れてみることにした。
 釣行したのは11月3日。待合所は国道127号船沿いにあり、ここで受付を済ませて港に向かう。忠七丸は金谷港の最も北側にポツンと1隻係留されていた。
 船長は井戸貞雄さん。年齢はちょうど還暦あたりだ。一見物静かなイメージだが、アオリイカの話をしたら急に能弁となった。かつては漁として東京湾周辺を飛び回っていたようで、アオリイカに関しては相当のウンチクを持っているとお見受けした。
 集まった釣り客は総勢12人とほぼ満船。この日は休日で晴天ベタナギ予報、これは当然とも言えるが、やはり常連さんばかりという雰囲気。加えて皆さん、やけに大きいクーラーを持参している。平均30リットル、まるで青物用である。
 右舷ミヨシ近くに席を取り、7時に出船となる。指定オモリは60〜80号とのこと、今日は潮が流れないので60号でよいと船長。船には2種のビシが用意され無料で貸してくれるので、無理して持参する必要はない。
 ところが、常連さんの一人が私の軟らかい竿を見て、「道糸が細いのなら、これでやってみませんか」と40号ビシを貸してくださった。持参した電動リールには1.5号が巻いてあると告げたら、船長もオーケーとのこと。
 即席ライトアジとなったが、電動がよけいだった。なんとポイントの水深は10〜15メートルなのだという。もう一度言う、タナではない、水深なのである。
 15分ほど走ってポイント着。「水深12メートルです。どうぞ」
 これが納竿の合図以外に船長がアナウンスした唯一の言葉、あとで分かるがそれで十分だったのである。
 一斉に投入開始。道糸が1色と少し出れば、もう着底である。タナはハリス分(2メートル程度)と常連さんが教えてくれる。
 とりあえず私は観戦に回る。すぐにアタると思ったが、皆さんの竿は沈黙したまま。船長に聞くと潮がまったく動いていないとのこと。「そのうち釣れ出すよ」と常連さんはまったく意に介していない。雑談をかわしながら楽しそうに釣り続けている。
 第1号がきたのは、20分ほどたってからだった。中学1年生の子供が釣ったのは、なんと35センチはある幅広大アジだった。たまたまだろうと思ったのが大間違い、次もまたその次もすべて30センチオーバーの大型、これにはびっくりである。「釣れ出すと型が小さくなるんですよ」と船長。始めのうちはポツポツだったが、8時を過ぎたころから食いが立ち始め、やがて入れ食い状態に変わる。
 確かに船長の言うとおり釣れ出すと型が小さくはなったが、いずれも25センチ前後の幅広の中型。それも金色に輝く正真正銘の黄金アジである。


 

 


 

 

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