九十九里地区から数日遅れて本格化した外房勝浦沖のヤリイカが、3月に入ると同時に爆発的に釣れ始めたらしい。
　当地の船宿のホームページをチェックしてみると……おお、これはスゴい！
　ほとんどの船宿でトップが束釣りを達成しているではないか。
　
　今の模様ならば楽しめるはず！
　そんなことを考えつつ3月2日に訪れたの勝浦松部港の信照丸。5時に港へ向かうと吉野勉船長と若船長の達哉さんが笑顔で出迎えてくれた。
　雨予報の平日ということもあり、お客さんは千葉市から来た新豊龍一さんのみだったが、右舷ミヨシから若船長、私、新豊さんの順に並んで釣り座を構え、5時半に港を離れた。
　いくらかウネリのある海をゆっくりと進み、やってきたのは勝浦海中公園沖の150〜160メートルダチ。協定時間の6時（3月16日から5時半投入）に船長から投入の合図が出て、オモリを投げた。
　地域によっては、朝一番よりも陽が高くなってからのほうがよく乗ると言われているヤリイカ。それだけにチャンスタイムはまだ先だろうと高をくくっていたが、この日の勝浦沖は違った。いきなりクライマックスが訪れたのである！
　オモリが着底したあと、糸フケを取って誘い上げようと思ったが、妙に重たい。
　アレ、150号オモリってこんなに重かったっけ？
　そんなことを考えていたが、竿先はグーングーンと断続的に引っ張られている。
　うわっ、これはイカだよ！
　慌てて電動リールの巻き上げスイッチを入れたときには、竿には信じられないくらいの負荷がかかっており、9：1調子のヤリイカ専用竿が折れんばかりに曲がっている。
　海面に上がった8本ヅノのブランコ仕掛けをたぐると7杯のヤリイカが掛かっていた。
　急いでイカを外して次投に移ると、140メートルくらい道糸が出たところで仕掛けが沈まなくなった。まさかと思ってリールのハンドルを回すと、またまたグーングーンとヤリイカの抵抗が伝わって、2投目も7杯掛けを達成した。