そんな中で苦戦していたのが海好くんと晟雅くん。アタリは多いようだが、ことごとくバレてしまう。でも当人たちは十分に楽しいらしく、
　「魚がそこまできてたのにィ」と笑顔で竿を握り続けていた。
　その後、川崎沖を転々としたがどこもアタリは少ない。アタったとしてもほとんどがショートバイトで、ハリ掛かりには至らない。
　なんとかして海好くんと晟雅くんに釣らせてあげたいなあと思っていたが、11 時ちょうどに終了のアナウンス。
　なんてこった、これで終わりなんて……。
　
　残念がる私の元に仲乗りさんが駆け寄り耳うちをした。
　「港の近くで釣れているみたいなんですよ。戻る前に少しだけ狙ってみますね！」
　やってきたのは京浜運河沿いの温排水周り。夜釣りのチャーター船で狙うときの定番ポイントだ。
　船長の合図でジグを沈めると、すぐにひったくるようなアタリが出て、船中はたちまちシーバスの嵐と化す。
　今までの苦戦がまるでウソのよう。海好くんもあっさりと60センチをゲットし、お父さんの雅樹さんも立て続けに良型をヒット。親子で爆釣を楽しんでいた。もちろん晟雅くんと紗理奈ちゃんも猛烈な勢いでシーバスを連発。
　釣果は全長38〜70センチのシーバスをトップ16本。平成生まれの3人も各自7〜8本ゲット。前半は荒天の影響でさっぱりだったが、最後の入れ食いに救われた一日だった。
　これからゴールデンウイークを控え、気候も安定してくるはず。家族や友人を誘って手軽にビッグファイトを楽しんでみてはいかがだろう。

［つり幸］村山克英船長