船中初のマゴチは40センチちょいと小さめだったが、とりあえず本命をゲットしＶサインを決める。
　その30分後には、右ミヨシ氏が同クラスのマゴチを釣り上げた。
　同じタイミングで僕の置き竿にもアタリがあった。間違いなく合わせどきと思われる大きな引き込みで竿をあおったが、ググッと重さが伝わったあとでフワッと軽くなってしまった。残念。
　右ミヨシ氏は12時前に2本目のマゴチをゲット。しばらく後に僕もアタリをとらえてハリ掛かりさせたが、マゴチは巻き上げ途中でスッポ抜け。これにはさすがに落ち込んだ。
　でも、すぐに特大のスミイカをゲット。これでマゴチ、フグ、スミイカという新明丸の看板ターゲットをそろえられたから、気分はいくらか持ち直した。
　なのに1時近くに訪れたアタリはまたしても合わせ損なってしまった。セオリーどおりにグーッと引き込まれたところで竿をあおったというのに。うーん。今日のマゴチは手強いぞ！
　しかもこのマゴチ、最初は手持ちの竿に食ってきたのにすぐにエサを放してしてまった。そして隣の置き竿のエサを食ったというイヤなヤツなのだ。クソッ！
　この直後にゲットしたのは、またしても30センチ級のフグ。まあうれしいけどね。
　でも1時半前にはどうにか46センチのマゴチを追釣。この1本はセオリーどおりの素直なアタリが出て食い込んだ。これで5打数2安打。まだ負けている状態だ。
　ポカポカ陽気のベタナギの海で、ややウトウトしていたときに何やら不思議なアタリがあった。すぐにとんでもない引きに変わり、一瞬にして戦闘モードに入った。途中から横に走り出したから、こりゃおかしいと思った。
　海面に姿を現したのは1メートルを優に超えるサメ。長時間のヤリトリは面白かったけど、やっぱりマゴチのほうがいい。
　納竿が近くなった2時50分。最後まで何が起こるか分からないから……と粘っていた左胴の間氏が45センチの初マゴチを取り込んだ。本人もうれしそうで、船長もホッとした様子だった。
　ついでにと言ってはなんだが、この方は続いての投入で2本目のマゴチをゲット。カメラのファインダーに見る顔はうれしさにほころんでいた。
　最後の最後にＶサインを出したのは僕。不鮮明なアタリと、マゴチとは思えない妙な引き込みに対し、テンションをかけたり抜いたりしながら食い込ませてハリ掛かりさせたのは53センチの良型だった。これで今日の成績も6打数3安打となり、まあいいかという気分になった。
　沖揚がりは15時。食い込みが悪いマゴチに翻弄された一日だったが、これもマゴチ釣りの面白さ。もっと潮が流れてくれればアタリも食い込みも素直になり、釣りやすくなるはず。もちろんゴールデンウイークのターゲットとしてもおすすめだ。

［新明丸］新明慶樹船長