面倒見のよい大船長直々のレクチャーをいただいたところで、
　「はい、どうぞ！」のかけ声。
　水深30メートルで着底。とくにタナ指示がなかったので1メートル底を切ってアタリを待つ。
　1流し目は空振りだったが、潮見ができた2流し目は船中すぐにアタリが到来。そして釣れ上がった船中第1号はなんと3キロ級のヒラマサ。
　「盆と正月が一緒にきちゃったみたいだよ」と大喜びの右舷胴の間氏。それにしても胴つき仕掛けでよく上げたものだ。いやはやお見事。
　画撮りから戻ると左舷大ドモ氏が巻き上げ最中。強い引きにギュンギュン竿が引き込まれ、まるで大物とのファイトのよう。
　上がってきたのは3本バリに3尾のキントキ。さすが名人、そつがない。
　ギュギュギュンッ！ 私の竿にも強烈なアタリが到来。大船長のレクチャーどおりしっかり合わせを入れ、続く大きなアタリごとに合わせを入れる。
　ころ合いを見計らって巻き上げを開始するとウオーッ、強い！
　竿はギュンギュン引き込まれ、ドラグを利かさなければ5号のハリスでも心配になるほど。
　そしてズラズラーッと上がってきたのは4本バリに4尾のキントキ。光沢ある黒みを帯びた赤色の魚体はピンと張った大きなヒレがさらに栄えを増し、魚体を大きく、そして美しく見せる。
　途中に中だるみもあったが、うまく群れに当たれば全員にバタバタとド派手なアタリが到来し、巻き上げれば大きなヒレでギュンギュン抵抗する強い引きに悲鳴が上がる。船中まさにお祭り状態。いや楽しい楽しい、ホント楽しい。
　右舷大ドモ氏に一際強い引き込み。再びヒラマサか!?
　と船長がタモを構えたが、上がってきたのはイナダ。しかも1.5キロ級の3本掛け。
　少し根がキツイ場所を流せばメバルやカサゴ、アジなども交じり、ほんと何がくるか分からない楽しさがある。
　全員のクーラーがほぼ満杯になり10時40分に沖揚がり。当日の釣果は25～38センチのキントキを1人13～23尾のほか船中ヒラマサ、イナダ、メバル、カサゴ、アジなどが交じった。
　私も21尾釣ってクーラーは氷が入る隙間がないほど。素朴な釣りの楽しさを堪能した釣行であった。
　キントキ五目は10月ごろまでが狙い目。釣り方も簡単なのでビギナーの皆さんもぜひ釣行してみてください。

［キャプテンズネット　第1・2敷嶋丸］山本幸夫船長