撮影がひと段落をしたところで私も釣りに参加した。
　仕掛けを投入するや否や、竿先にコツコツとアタリが伝わって、ひと呼吸置いてから竿先を持ち上げていくとガッチリとハリ掛かり。
　しかし巻き上げ途中に伝わる乱暴な引きはカレイのものではない。
　「それアイナメだからタモ取りしてやんなおう！」の声で、周囲の方にすくってもらったのは40センチジャストのアイナメだった。
　さあ、次こそ本命マコガレイ。独特な釣趣をたっぷり楽しんでやろうと思っていたが、潮の流れが止まり、カレイの食いも明らかに渋くなってきた。
　そんな中でも一人気を吐いていたのが右ミヨシ3番目の山田さん。小づきよりも竿先を海面から腰の高さまでゆっくりと持ち上げる動作を中心に行っていたが、船長によるとそんな釣り方が当日の状況にはマッチしているという。
　渋い状況のカレイは目の前をスーッと通過していくエサを口にする傾向があるようで、小づきより竿をゆっくり持ち上げる誘いに重きを置いてほしいとのこと。
　沖揚がりは昼過ぎ。当日の釣果は25〜45センチのマコガレイが3〜14枚。台風前に比べれば数はやや落ちた印象だが、濁り潮の悪条件下でこれだけ釣れたのだからよしとしたい。
　なお、当地のマコガレイは毎年お盆前後までが釣期となるので、なるべく早めの釣行をおすすめしたい。

［第一東海丸］北條　晃船長