やがて潮が止まると魚の食いも急停止し、すかさず船長は朝方に潮が速かった川奈岬沖に船を移動させた。ここでも潮はあまり動いていなかったが、アカハタとカサゴが時折ヒットする。
　途中、飯田嬢の竿にアタリが訪れて、それまでとは異なる大きな引きを見せたが、巻き上げ途中でハリが外れてしまった。船長いわく、
　「アカハタの大物だったかも？」とのこと。過去に2キロ級のアカハタが上がった実績もあるという。
　その後、手石島近くの20メートルダチを狙うと良型のカサゴがポツポツとヒットし。全員大満足で5時半に沖揚がりとなった。
　当日の竿頭は広田氏で、30センチ前後のカサゴとアカハタを合わせて15尾。良型ばかりということもあり、中型のクーラーは満タンに近い状態となっていた。この釣果には船長も納得したようで、
　「伊東沖は型ぞろいなのが魅力ですよ」と笑顔であった。
　ほかの皆さんも同級のカサゴ、アカハタ、メバルを合わせて10尾前後釣り上げていたようで、初チャレンジの飯田嬢も良型のカサゴとメバルを5尾ほど釣り上げていた。
　心配した根掛かりによる仕掛けのロストも1回きりで、船長のアドバイスどおりに狙えばビギナーでも十分に楽しめることを実感した。
　船長によると、これからワラサが始まるまではイサキとともにカサゴを狙っていくとのこと。
　いつも笑顔で穏和な船長はビギナーにも親切。しかも今シーズンは例年になくアカハタが多い様子なので、グルメ派にもおすすめだ。
　なお、村正丸では予約乗合のシステムをとっており、基本的に最初に予約を入れた人の希望で釣り物が決まる。予約スケジュールはホームページで随時更新されているので確認してほしい。

［村正丸］村上大輔船長