9時過ぎから僕も竿を手にしたが、そのころはもう入れ食い状態で同時に2本の竿にアタリがあったりして、そりゃあ忙しいこと忙しいこと。
　それにしても、7尺の愛竿は芸術的な曲線を描いて曲がる。とくにデカいハゼが掛かったときなどは、糸を手にするのを遅らせたくなるほどの美しさ。
　数釣りに励む気分でもなかったので、1時間ほど竿を出してから再度船内をフラフラと見て回った後、今度は4尺の水雷竿1本で遊ぶことにした。
　短竿だからスーッと大きく手を振り上げて合わせるスタイルに変わったが、これがこれでまた楽しい。短竿なりの扱いやすさは独特のものだ。いいねえ、こんな釣りは……。
　11時半まで入れ食い状態は続いて、僕は60尾超をゲット。トップは134尾でスソは28尾だったが、束超えした人が3人いた。
　本誌発売のころからは運河筋から外に出て、本格的にケタハゼ狙いになるだろう。まあ運河筋のように数はたくさん出ないが、型はグッとよくなるはず。それにしたがって半日乗合は一日乗合となるから、事前の電話確認が必要だ。
　正月明けまで水深6〜15メートル程度のポイントを狙うから、江戸前の海の飴色に輝く宝石をゲットしに出かけてはいかがだろう。

［新明丸］高橋 英夫船長