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[アジ]
三浦半島走水港発…観音崎沖 高司丸

おいしい&楽しい! 走水のビシアジ好調持続

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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2012年10月15日号

フグめ〜!

 


夏の不調を取り返すような釣れっぷりです


 午前船に乗っておいしいアジをササッと釣り、帰宅後は冷えたビールでアジの刺身を楽しみながらバタンと昼寝。
 そんな釣り人冥利に尽きる一日を過ごそうと三浦半島走水港の高司丸へと車を走らせたのは9月8日。真夏のころは釣果も今ひとつという日も多かったようだが、秋の気配が漂い始めると中アジ、大アジ交じりで安定した釣果が続くようになっている。
 釣り場が走水港の真沖というのがまたいい。この釣り場は俗に言う「観音アジ」のポイントだ。黄金色がかった体高のあるアジは手で握っても脂でヌルヌルしている。身は透き通るようでプリップリ。ああ、食べたい。
 
 寝起きの悪い女房殿と連れ立って走水港に到着したのは6時過ぎ。好釣果が続いていることもあって、いくつかの釣り座が埋まっていたが、僕たちは空いていた左舷胴の間に座った。
 定刻の7時半、横橋政晴船長の操船で15名の釣り人を乗せて出船。
 最初の釣り場は15分ほど走った真沖の60メートルダチ。港を出てすぐに釣りがスタートした。
 「ビシが海底に着いたら、糸フケを取ってから2〜3メートル上にタナを取ってください!」とのアナウンス。
 船で用意されている付けエサはアカタンだが、僕は途中で買ってきた特エサのアオイソメを付けてみた。今日のような濁り潮ではアオイソメに分があるはず。
 ビシが底に着いたあと、1.5メートル巻き上げたところでパッとコマセを振り、さらに1メートル巻いた2.5メートル上でアタリを待つ。
 なかなかアタリは出なかったけれど、コマセが効くまでの辛抱だからと何度も仕掛けを入れ直す。ところが8時過ぎにとんでもない事件が発生した!
 仕掛けの巻き上げ中、ふと海面をのぞくと大きなフグがフラフラしているではないか。
 こりゃヤバいと思い、道糸を左右に大きく振りながら巻き上げスピードを上げたけど、残り5メートルくらいでプツン!
 仕掛けはすべて海底へと消えた。
 僕よりも悲惨だったのはお隣さん。仕掛けがタナにある状態で道糸をプツンとやられて、60メートル近くの道糸を失ってしまった。
 これを見て船長はすぐに移動のアナウンスをする。こんな状況じゃ逃げるしかない。
 アジの反応を見ながら移動し、再スタートとなったポイントは、やはり港の真沖の70メートルダチ。このポイントが大当たりで、怒とうの入れ食いタイムが始まった。
 釣れるアジはどれも30センチオーバー。35センチ級もいる。そんなアジを一荷で釣る人もいるから船上は大騒ぎになった。
 タナは底から2.5メートル上。アジが大きいだけにアタリも派手で、クンクンどころかキュキュンと竿先が押さえ込まれる。
 置き竿にして撮影をしよう思い、タナを切った途端にキュキュン。
 ホルダーに竿をセットし、カメラを手に歩き出したらまたキュキュン。もっとも僕が撮影しているときは仲乗りさんがアジを取り込んでくれたからよいのだけど。
 たまに30センチに満たないアジも交じったが、それもほんのりと金色味がかった食味抜群の観音アジだから文句はない。
 アジのほかにはポツポツと大きなサバも交じっていた。カメラのファインダー越しに眺めては、おいしそうだなあとため息を漏らした。僕もこのサバが欲しかったけれど、釣れたのはアジばかりでちょっとがっかり(ぜいたくな話だけどね)。
 それにしても暑い。今日は無風に近い状態なのでなおさらだ。立って釣りをしているうちはまだいいけれど、太陽に照らされた釣り座に腰を下ろすと、自分の尻が鉄板焼きの肉になったような感覚に陥る。ジューッと焼ける音も聞こえてきそう(あまりおいしそうじゃないけどね)。


 

 


 

 

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Page2 入れ食いで締めくくる!



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