Check
本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2010年12月15日号
船中バラシの続出に涙
仲間同士のヒラメ釣りも楽しいモノです
そのときコツンと私の竿先に動きが。これは明らかに魚信で、次なるシグナルを固唾を飲んで待っていたのだが、一向に食い込んではくれない。
仕掛けを巻き上げてみるとヒラメの噛み跡が付いて哀れな姿となったイワシが戻ってきた。
うーん。食いが渋い。潮が動いていないためヒラメの活性が低く、すぐにエサを放してしまうのだろう。その証拠に横流しをしていても道糸が真っすぐになったまま。
これでは横流しといえど広くポイントを探れないが、それでも船長はあっちのポイント、こっちのポイントと移動を繰り返してくれる。
そのかいあってかポツリポツリとヒラメが釣れて、右舷トモにいる医師会の重鎮でもある辺見先生は2キロ級を2枚釣り上げていた。
そんなとき、誘い上げた私の竿にガツガツッと魚信が伝わる。今度こそ失敗は許されない。2度目のグーンという引き込みに「今だ!」とばかりに頭上まで竿を大きくあおって合わせを入れるとガッガッガーッと抵抗してきた。
してやったり!
この重量感から大物であることを確信して慎重に巻き上げに入る。時折見せる突っ込みに竿は弧を描いて反発する。そして釣り上げたのは本日最大の3キロのヒラメであった。
よし。次で両目を開けるぞと意気込む私の竿に再びガツガツ。だが、後が続かない。
ここは勝負と静かに竿を立てるとガガガーン!
合わせを入れてリーリングに入るが、2度目の引き込みの後に竿に負荷がなくなってしまった。
その次のアタリもガガガーンときただけでおしまい。潮が緩いので私に限らずバラシの連続で涙を飲む人が続出していた。「10分延長しますから」と船長は灘寄りに移動。
ここでヒラメ初挑戦の菊池さんと藤田さんも待望のヒラメを釣り上げることができ、船中全員が型を見たところで沖揚がりとなった。
残念ながらトップが2枚と今日は振るわない結果となったが、12月に全面解禁となり、イワシの群れも入ればさらに釣果が上向くことは確実なので、まだまだ気の抜けない鹿島のヒラメである。
[利喜丸]大川利夫船長
Page1 マトウが呼び水になった !?
Page2船中バラシの続出に涙
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。