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[ショウサイフグ]
外房大原港発…大原沖 利永丸

釣っても食べても大満足 大原のショウサイフグ好調

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フイッシングライター/山口 充
掲載号: 2012年12月1日号

私の食い渋り対策は !?

 


材日はのび悩みましたが、今年もフグはたくさんいます


 てっちり、てっさ、空揚げ……。毎年冬になると食べたくなるのがフグ料理。地元の料理店からダイレクトメールが届くと、家族で食べに行くのがわが家の恒例行事だ。
 私がフグの味を知ったのは20代後半。それまではお金持ちの食べ物だと思っていたが、あるとき船長に処理してもらったショウサイフグを食べてからはグッと身近な食べ物へと変わった。
 食味ばかりか釣趣も極上で、ついついアツくなってしまう釣り物の一つである。
 
 今回向かったのは外房フグの中心地である大原港。お世話になった利永丸の中井春樹船長は私たちと同じく矢沢永吉さんの大ファンで、すぐに意気投合した。
 受付のあと、左ミヨシに座って準備していると、トモ2番には上州屋我孫子店に勤めているという平林さんが入った。さらに石井さんの隣にはスカイツリーのお膝元、すみだ水族館で働いているという市野さんが座る。少しお話してみたところ、さすがに魚の生態にも詳しく、楽しい釣行になりそうな予感。
 私たちを含む13名の釣り人がそろったということで、定刻の4時半よりも少し早めに出船。月明かりに照らされる海をゆっくりと進んでいく。最初にやってきたのは大原沖の水深17メートル。カットウ仕掛けのエサバリにアオヤギを2〜3粒付け、船長の合図で仕掛けを沈めた。「まだ周囲は暗いし、アタリが出始めるのはもうしばらく先かな?」と思っていたが、右舷でフグがバタバタとヒットしており、ダブルで釣り上げる人も見受けられた。
 左舷に戻ってくると石井さんも連続ヒットさせている。
 今シーズンの大原は魚影が濃いと耳にしていたが、この釣れっぷりを見る限り、噂は本当らしい。
 さあ、私も楽しもう!
 と思い竿を手にしたが、ウネリが思いのほか大きく釣りにくい。とくに私の釣り座である左ミヨシは船のアップダウンが大きくなおさらだ。
 ウネリを交わすため、私は全長1.8メートルのフグ竿から2.1メートルの長いタイプに変更。これが成功したようで、すぐに1尾目をゲットすることができた。
 左舷にいた平林さんも連続でヒット。いつの間にか石井さんも4尾のフグをオケに泳がせていた。釣れた状況を尋ねてみると、数秒に1度の空合わせを入れるタイム釣りで掛かっているらしい。
 ところがこの釣れっぷりも陽が上がるとともに落ち着いていき、ポツポツ程度の拾い釣りに変わってしまった。
 しかし私が待ち望んでいたのがこんな時間帯。フグが消えたのかと錯覚するほどの状態だが、こんなときこそ釣り人の実力が試されるのではないだろうか。
 ところが、しばらく集中して狙ってみたもののアタリはなし。
 「反応が出てるよ!」と船長はアナウンスしてくれたが、それでもフグは掛からない。
 これでどうだ! と、試しに東京湾フグ用の10号オモリのカットウ仕掛けを沈めてみたところ、底まで仕掛けが沈まない。
 一体どうしたのだろう?
 すぐに巻き上げてみるとエサのアオヤギがキレイにかじりとられていた。
 フグは確実にいる! あとはこのフグたちをいかにしてハリ掛かりまで持ち込むか……だ。
 こういった仕掛けの落下中にエサをかじられることはルアー釣りでもよくある。いわるゆフォール中のバイトというやつだ。
 ショウサイフグの仕掛けは落下しているときはハリが上を向いてしまうので、一度底にオモリを着けて、オモリを底に這わせてから合わせないとフグは掛からない。
 だったら、オモリとハリを結ぶハリスを思い切り縮めてみたらどうだろう?
 さっそく5センチくらいに縮めてみたところ、作戦が的中したようでフグの連続ヒットに成功した。


 

 


 

 

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