次つぎに抜き上げられるタチウオを目にして、いても立ってもいられなくなった私は急いでエサを付けて2本バリ仕掛けを投入した。アタリはすぐに到来し、1メートル弱のタチウオをゲット。直後の投入ではダブル、その次の投入もダブルを達成することができた。同船の皆さんも絶好調。エサ、ルアー問わずタチウオはバリバリに釣れまくり、早くも30本の大台に届いたという釣り人もいた。
　そんなときに私の竿にハプニングが発生！ 巻き上げの最中に突然道糸が高切れし、仕掛けをすべて失ってしまった。テンビンとハリスは予備があるが、水中ライトは1つしかない。もうダメだと途方に暮れていると、
　「水中ライトなんかなくても大丈夫！ 漁では水中ライトを付けなくても問題なくタチウオは釣れるから！」と常連さんと船長が励ましてくれた。さらに船長は私のために仕掛けまで作ってくれたのだ。
　全長2.5メートルの1本バリで、チモトには船長とイシグロ沼津店の村上氏がプロデュースし、近日発売予定の「ムラムラパイプ」というパイプをかぶせてある。
　パイプのほかに驚いたのはハリスの太さ。なんとフロロカーボン13号である。通常の市販仕掛けが6〜8号で作られていることを考えれば、太すぎて食いが渋くなるのではないかと思ってしまうが、船長が普段漁で使っている「ずずら」はハリス30号。これで問題なくタチウオが食ってくるなら13号は細いものだ。
　船長の仕掛けで釣りを再開すると、すぐにタチウオがアタリ、あっと言う間に5本連釣。その後ハリスが道糸に絡んでしまうトラブルにも見舞われたが、ハリスが太い分ほどくのも楽だった。
　沖揚がりは22時半過ぎ。タチウオのタナは中盤以降20メートル、15メートルと徐々に浅くなり、終盤は再び30メートルと深くなったが、アタリは終始活発で、全長70〜105センチのタチウオを中心にエサ釣りが16〜55本、ルアーが30〜52本という爆釣。撮影をしたり、仕掛けがトラブったりと終始バタバタだった私でさえ27本もキャッチできた。
　これから寒さは厳しくなるが、駿河湾のタチウオの魚影は濃く、まだ当分はアツい釣れっぷりが楽しめるはず。皆さんも万全の防寒対策をしてお出かけください。