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フィッシングライター◎山口 充
掲載号: 2009年2月1日号
ウネリ対策に四苦八苦
今シーズンもマガレイは絶好調。 例年に比べ良型が目立つ
小づきのパターンが分かればトリプルだって思いのまま!
周年狙えることで知られている宮城県塩釜沖.大型魚礁のマガレイが、この冬絶好調。例年話題に上るのは数だけど、今シーズンは型もよく、イシガレイが交じるのも特長。
これから春にかけてはマコガレイも顔を出し、まさにカレイ天国ともいえる様相を呈する。
12月20日に訪れたのは宮城県塩釜港のえびす屋。カレイ狙いに力を入れる船宿である。
当初は前日19日に訪れる予定だったが、強風で出船中止。やむなく20日に順延したのだ。
5時にえびす屋へ向かうと、すでに釣り人でゴッタ返していた。冬場はカレイ乗合のほか美味で知られるマダラ、さらに脂がたっぷり乗ったサバ狙いのルアー船など、様ざまな乗合船があるためだ。
そんなお客さんたちによれば、今日は風こそ収まったが、少しウネリが残っているとのこと。ならば底荒れで食いに影響が出るかもしれない。
やがて鈴木和男船長の操船で6時に出船。航程およそ1時間で大型魚礁に到着した。薄暗い時間帯はアピール力を重視してオモリは夜光、仕掛けのビーズ類はやや大きめのものを選んだ。
竿はカワハギ用。同行の石井さんは当地仕様のカレイ専用竿。エサはアオイソメで1匹を3〜4等分に切り房掛けとするのが一般的。
まもなく船長から開始の合図が出た。水深はおよそ50メートル。
釣り座は左ミヨシ。ウネリをモロに受けるためとても釣りづらい。リールのクラッチをこまめにオン.オフと切り替えて底ダチを維持する。
やがて私にゴツゴツときた。使い慣れたカワハギ竿だが、極先調子竿だけに食わせるための間を作るのが難しい。
ほどなくして石井さんにもアタった。彼女の専用竿はカワハギ竿と違いほどよく曲がるため、食わせの間を作りやすい。 1枚目をハリ掛かりさせた石井さんは2枚目を掛けるためさらに小づき続けている。 一方私は船の上下で道糸にかかるテンションが急に抜けないように、コントロールしながら追い食いを狙った。 やがて引きが強くなったところで巻き上げを開始。体をくねらせるような独特の引きが伝わってきた。 私は肉厚マガレイのダブル、石井さんはトリプルだ。「うまいねー!」と常連さんから声がかかり、石井さんは上機嫌。さすがはカレイのメッカ、コンディションが悪いといってもこれほどの食いが楽しめるのである。
さて、高活性時のマガレイは小づいている途中でコンコンと明確にアタリが出て、そのままハリ掛かりするケースが多い。ところが今日は誘ったあとに食わせの間を入れることが大切のようだ。
小づいてエサが動いているときはカレイが軽くついばみ、エサの動きが止まったところでモグモグと咀嚼(そしゃく)しているような感覚がたびたび竿先にも伝わってきた。
そこで私はカワハギ竿からえびす屋オリジナルのマガレイ竿へと変更。6:4調子と大型魚礁用としては「曲がる」タイプの竿。持ってみると軽く、感度もよさそう。まさに食い渋りに対応できる1本といえそうだ。
さっそく仕掛けを放り込み、ゆっくり小づくと1枚目が掛かった。さらに小づいてから待つと2枚目がヒットした。
なおも食いを誘うと、竿にずっしりと重量感が伝わってきた。魚の重みを感じながら巻き上げると、良型マガレイのトリプル。
以降もダブル、トリプルとヒットが続く。サイズは上々、皆さん25〜30センチクラスを中心に上げている。
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