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[イシガレイ]
茨城県鹿島新港発…鹿島沖 豊丸

型と釣趣。両方満点 鹿島沖のイシガレイ

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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2009年2月1日号

カットウで狙ってもOK

 


これは50センチ級。 60センチに達する大型も狙える
まめな小づきと派手な仕掛けで良型をゲットしよう!


 どうしても気になる釣り物があった。それは一昨年の今ごろに釣行した鹿島沖のイシガレイ。産卵を控えた大型イシガレイならではの強烈な引き込みをもう一度味わいたい。
 ダメ元で本誌に取材の提案をしてみたところ、あっさりと認められた。ラッキー!
 
 12月21日、釣友の木村くんと一緒に意気揚々と向かった先は茨城県鹿島新港の豊丸。
 高水温の影響で例年に比べやや出遅れていた感のある当地のイシガレイだが、12月中旬あたりから大型が釣れ始めた。皆さんその一報を待ちわびていたようで、当日も大勢の釣り人が港に集まっていた。そこへやってきたおかみさんにごあいさつすると、「鈴木さんはどっちでやるの?」と尋ねられた。
 はじめはなんのことかさっぱり分からなかったが、よくよく聞いてみると今のポイントにはカレイとフグが混在しているらしく、フグ狙いのカットウを使うとカレイが掛かってくることも多いそうな。
 もちろんスタンダードなカレイ仕掛けでジックリ狙うのもOK。よってカットウを使う人はアオヤギを、カレイ仕掛けの人は貝ヒモエサと特エサのアオイソメを手に船に乗り込んでいた。
 私の狙いはあくまでも大型のイシガレイ。仕掛けはもちろん通常のカレイ用だ。
 期待に胸を膨らませ6時ちょうどに出船。釣り人は20名。カットウ派10名、スタンダード派10名と内訳は半々だ。
 航程30分ほどでポイントの鹿島沖に到着。周囲にはフグ船が集まっていたので根掛かりを心配したが、この時期のフグ釣りは根掛かりの少ない平場を狙うことが多いため根掛かりの心配はほとんどないらしい。
 「水深25メートル。準備のできた人からやってください」と出頭(しゅっとう)豊一船長が開始を告げるアナウンス。
 私はアオイソメを房掛けにし、そこに貝ヒモを付けた。イシガレイはビーズなどアピールグッズが有効だと言われている。私は仕掛けの上に集魚板を付けたが、常連さんの中にはクリスマスツリーと見間違うような派手な仕掛けを使っている人も。
 仕掛けが着底したら、リズミカルに小づきを入れてカレイを誘う。仕掛けが浮き上がらない程度の幅で10〜20回小づいたら、静かに聞き上げる。この小づきを繰り返す途中でコツンときたら、ひと呼吸置いてから静かに竿を立て、重量感が伝わってきたところで頭上へ竿先を上げて合わせる。
 まもなく私の竿にコツッと魚信が到来。小づきを止めて5秒ほど待ち、竿先を上げていくと、ガガガー!
 とイシガレイが暴れる感触が伝わってきた。
 強い引き込みを十分楽しんで抜き上げたのは40センチほどの中型。船中第1号だけにうれしさもひとしおだったが、私の狙いはあくまで50センチ以上の大型。願わくば60センチ級だ。
 まもなく左ミヨシの中野さんが竿を曲げた。ファイトの様子を見るかぎり、かなりの大物の予感がする。海面を割ったのはなんと54センチの大型だった。
 このあとも大爆釣とまではいかないものの、船中だれかが竿を曲げている状態が続く。
 「またハリを取られてしまいました」と悔しそうにつぶやくのは釣友の木村くん。犯人はおそらくショウサイフグ。その証拠にカットウ仕掛けを使っている人は何尾かのフグをすでに手にしている。
 私にも時折ビビッと金属的な魚信が訪れたが、ハリ掛かりには至らない。
 何度目かのアタリでようやく掛けることができたのだが、ショウサイフグにしては引きが強い。かといってカレイの引きとも違う。なんだろうと思いながらリーリングをした結果、姿を見せたのは全長35センチの大きなショウサイフグであった。これはすごい。
 開始から2時間ぐらい経過したころ、船中を見渡すと大半の人がイシガレイを手にしていた。本命のほかは30センチ前後のホウボウと小型のマダコなど。
 中でも絶好調なのはトモ寄りにいた中村さん。イシガレイのほかホウボウ2尾と40センチほどのマコガレイも釣り上げ、足元のタルはすでに満タン。当日乗り合わせた女性アングラーの近藤喜美子さんも、大きなイシガレイを手にご満悦だ。


 

 


 

 

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※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。