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[アジ]
三浦半島京急大津発…大津沖 いなの丸

年またぎで好調続く 東京湾のビシアジ!

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本誌編集部◎村上敬洋
掲載号: 2009年2月1日号

ククンの感触がたまらん!

 


釣り場は大津港真沖。水深30メートルだから手巻きリールで楽しむにもちょうどいい
美味で名高い当地のアジ。一度食べたら病みつきになる人も多いそうな


 午後船の出船は13時。朝よりもいくらか気温が上昇したせいか、午前よりも1名多い5人の釣り客が集まった。ほとんどが常連さんで、手釣り道具のほか、釣ったアジを泳がせるハモノ狙いのタックルを抱えて乗り込む人が目立つ。
 ところで当地で狙えるハモノはヒラメ、マダイ、イナダ.ワラサなど様ざまだが、中でも注目なのがヒラメ。当日乗り合わせた森下勝志さんは、数日前に7キロ級という大判を上げたそうな。
 釣り場は朝と同じ大津沖。やはり27メートルでアンカーが入れられた。仕掛けを投入するとすぐにククンとアタり、船中あちこちでアジが乱舞。開始から30分もたたないうちにトップは20尾を超えた。
 午前の借りを返そうと奮闘するが、気持ちだけが空回りする。まめに手返しをしたいのだけど生来の不器用が災いしてか、どうにもうまくいかない。やっとの思いで3尾掛けても海面で2尾落としたりと散々だ。
 そんなとき、ふとキャビンに置かれていた船長の手釣り道具に目がいった。「これ、使っていいですか?」「いいよ、やってみな!」
 さっそくコマセのイワシミアジンチを詰めて、前方へ放り込む。ビシが底に着いたら1ヒロ分上げて一度コマセを振り、半ピロ上げて再度振る。「クン、ククン……」
 おお、これが手釣りの感触なのか。竿釣りで狙っているときのアタリはなんとなーく伝わる程度だったけど、手釣りだとそれこそ手に取るように伝わってくる。まるで糸1本でアジと対話しているような感覚だ。
 そればかりか取り込みもスムーズ。竿をキーパーに戻したり、外したりといった手間がないから、仕掛けを入れる回数も格段に増えた。
 さて期待のハモノ狙いだが、中盤に右ミヨシの安井孝さんがタチウオを上げたまではよかったが、その後は音沙汰なし。最後の流しで森下さんが巻き上げた仕掛けには3キロ級とおぼしきヒラメが掛かっていたが、船ベリでバラシ。そんな悔しい一幕があったが、皆さんアジで満タンのクーラーを抱え16時半に沖揚がりとなった。
 トップは森下さんで80尾以上、私以外の全員が70尾超えと文句なしの釣れっぷり。手ビシ初挑戦の私も40尾釣り溜飲を下げた。
 取材日以降も当地のアジは好調、ハモノ狙いもマダイなどを中心に順調である。
 そんな当地のアジ乗合は、癒しの釣りと呼ぶにふさわしい。アジをたくさん釣り、船長と話をして、のんびり楽しい時間を過ごせば煩雑な日常を忘れることができるはずだ。



いなの丸]野地政信船長

 

 


 

 

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