釣り場はここ最近ウルメイワシが群れている、小田原沖周辺の水深100メートル前後。大きな反応を船長が見つけて、9割の方がサビキ仕掛けを下ろす。
　「85〜95メートルくらいを探ってみて〜」。サビキを誘い上げると、90〜95メートル付近でイワシが食い付いてきた。さらにコマセを振り出して多点掛けを狙うと、竿先がブルブルガクガク震えっぱなし。
　そのまま待てばイナダがくるし、はなっからヒラメ狙いで底近くまで仕掛けを下げる人もいる。宙層にメジが回る日は、船長がタナを指示してくれる。
　各自、イナダに飽きたら、「狙いたい魚を釣ってください」という自由なスタンスが好きだ。
　しょっぱなからガツンときたのは1.5キロのヒラメだった。「これ1枚で乗った甲斐あり」と釣り上げた落合さんが笑う。
　続けざま川口さんの竿が大きく引き込まれて、70センチオーバーのスズキが浮上。底で食ったというから、スズキはこんな深場まで潜行するらしい。
　魚群の中には30センチ前後のアカカマスも混在し、「おー最高の干物ネタ」と上原さんは4点掛けを達成。アジも時折交じってくる。
　本命のイナダが顔を出したのはやや西側のポイント。1〜1.5キロ級のイナダが、ポツポツながら食い付いてきた。
　続いて露木さんが胴の太い3キロのワラサを引き上げ、
　「女房はイワシさえあればいいと言ってたんだがねぇ」と破顔一笑。船長によれば
　「ハリスをブッちぎる魚もいる」というから、群れの中にはさらなるビッグワンが潜む日もあるらしい。
　結果、14時過ぎの納竿までに鎌野さんが13本を釣り上げ、私を含めて5〜7本ほどがアベレージだった。手堅いイナダ釣りに、びっくり箱的プラスアルファが期待できる食わせサビキ。釣果と夢を求めるワガママ釣り師よ、いざゆかん！

［平安丸］小林哲郎船長